初心者が「都心の一等地で区分マンション経営に大失敗」の全貌

オーナー特別インタビュー[前編]

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株式会社アイケンジャパン
初心者が「都心の一等地で区分マンション経営に大失敗」の全貌

コロナ禍において、給与所得が減ったり、自営の休業を余儀なくされていたりする方は少なくありません。目まぐるしく変わってゆく世のなか、これからはコロナだけでなく、さまざまなリスクを考えて副業や、他の収入の柱を増やすことを考える時代だといえます。では投資や副業の初心者は、どのような資産形成の手段を選ぶべきなのでしょうか。今回は、不動産投資で失敗を繰り返した末、創業15年目のアイケンジャパンで新築アパート経営に成功した、オーナーTさんの体験記を紹介します。

下調べせずにアパ・マン経営…5年間とお金が無駄に

[図表1]不動産投資経歴

 

Tさんは製造業に従事する50代のサラリーマン。正社員として働く妻と、成人した長男、学生の次男の4人家族です。

 

勤務する製造業の会社は、新型コロナの影響はあまり受けていないものの、派遣社員の契約打ち切り、期間従業員の延長・新規契約打ち切りなどが発生。残業がなくなり、夏のボーナスもカットになるなど、収入源の影響は出ているとのことです。リーマンショックの時も感じたそうですが、会社員は不況など社会変化の影響を受けやすいし、雇用は守られても不安定だと感じているのだとか。

 

同時に、会社員として働くかたわら、アイケンジャパンのアパート3棟を含む4棟のアパートを経営していますが、新型コロナを要因とした退去は出ていないため、不動産は不況下でも安定していると感じているといいます。

 

Tさんが不動産投資を始めたのは2008年。新築区分(ワンルーム)マンション2戸から始め、その後新築アパートを計5棟購入しました。まず、これまで約11年間の不動産投資経歴を簡単に振り返ります。

 

Tさん「不動産を購入した理由は、息子が2人いて、1人に今住んでいる自宅を相続させるとして、もう1人にも何か残したいと考えたから。いろいろ探すなか『新築ワンルームマンション』という広告が目に飛び込んできた。東京都心の一等地に自分のマンションが持てることに魅力を感じ、購入しました。

1戸だけにしておけばよかったが、セールスマンの営業トークで『もう1戸買うと値引きします」といわれ、勢いで2戸買ってしまったのがまず一つ目の失敗です。

翌2009年、ワンルームマンションと同じX社のアパート部門の方で、名古屋に新築アパート1棟を購入しました。

2013年に福岡のY社の新築アパートを購入。1LDK6戸で、1部屋が50㎡程度。2014年に初めてアイケンジャパンの名古屋の新築アパート購入。1LDKで8戸。2015年名古屋で2棟目のアイケンジャパンの新築アパート購入。1LDK6戸。さらにまた2年おいて名古屋で3棟目となるアイケンジャパンの新築アパート購入。1LDK8戸。

2018年、19年に中古の戸建て、新築の賃貸併用住宅というかたちで、投資を進めています」

 

Tさん曰く、自身の強みは、比較的若い段階で失敗を重ねたが、結果的に、会社員としての最良のアパート経営を見つけ出したこと。コロナ不況にも影響されにくい生活と、戦略的な資産経営を目指しながら、今も継続的にやっているところだといいます。

 

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都心の一等地である「品川」のマンションが赤字に

では、その失敗の中身を見てみましょう。

 

[図表2]新築アパート経営10年間の実績

 

まずは新築ワンルームマンションの失敗についてです。

 

購入したのは2008年、リーマンショックの少し前のことです。場所は東京都港区、品川駅が最寄りで、新幹線も停まり、将来的にはリニアも停まる一等地だと思われました。1K25m2を2戸購入し、条件はよかったものの、自己資金を結構入れたにも関わらず、1戸につき、毎月の手出しが6~7千円、さらに毎年の税金もかかりました。

 

加えて一番困ったのが、家賃の下落でした。新築でしたが、数年たつと中古になり、家賃を下げざるを得なくなりました。また、隣の住戸が同様に空けば競争になり、入居者は安いほうを選びます。そうなると、家賃の下げ合い競争のようなことが始まってしまいます。ローンを返済する前にどこまで手出しが増えるのか、家賃が下落するのか想像がつかなくなり、6年目、400万円の赤字でしたが、早めに失敗に気づいたと割り切り、損切というかたちで売却したそうです。

名古屋に買ったアパートで退去者が続出

次に、X社で購入した新築アパートの失敗についてです。

 

2009年に購入したのは、名古屋市の1Kロフトタイプ、8戸の新築アパート。前述のマンションで赤字を抱え、リーマンショックで給与が大分減り、不安になってしまったのです。そこで、月々の手残りが出るという新築アパートを、Tさん曰く「後から思えば安直な考えだったが……」と振り返りますが、購入したそうです。

 

X社のウリは、今では30年以上、当時でも20年以上経っている会社という社歴の長さで、築20年経っているアパートでも、入居率98.8%、つまりほぼ空室リスクはないというのが謳い文句でした。しかし残念ながら、Tさんの物件はそう簡単にはいかず、5年目を迎えようとする2013年に退去者が続出。年間に100万円程あった手残りが、マイナスになってしまいます。この先ももっと家賃を下げないといけないかもしれないと思い、傷口が広がらないうちに、6年目に売却しました。

 

入居率98.8%といっていたのに、なぜ退去者が続出したのでしょうか。Tさんは次のように分析します。

X社が謳っていた「入居率98.8%」のカラクリ

[図表3]退去者が続出した原因

 

Tさん「これは1年間の入居状況で、赤字になっているところが空室。これでも入居率75%キープしているわけですが、実際にはこれだけでは済みません。どういうカラクリかというと、空室になると、次の入居者を決めるために、いろいろな経費がかかります。代表的なものとして、清掃料、仲介業者に払う仲介料、広告手数料。それらの経費を加味すると、こうなります。

『FR(フリーレント)』は、(家賃を)1カ月無料にするというサービス。『広告』というのは、仲介業者に払う広告手数料。通常だと1カ月程度広告を出せば決まりますが、X社のアパートは1カ月ではなかなか決まらず、2カ月分払うからということで何とか決めてもらうケースが多かったです。結局、その『FR』と『広告』部分も、オーナーにとっては家賃が入らないので、空室と同じことになる。その分を加味すると、実際の入居率は一気に下がり、58%となってしまいました」

 

さらに、図表3の103号室、203号室を見るとわかりますが、フリーレントと広告を入れ、一度入居したにもかかわらず、またすぐに退去になってしまった部屋もあります。通常、短期間で入居者都合で退去した場合、違約金が発生します。その金額は管理会社によって違いますが、家賃の1~2カ月分。X社の場合も発生し、通常、違約金はオーナーに入るはずが、X社の場合、違約金は管理会社に入るという、ひどい契約内容になっていたそうです。

なぜ退去者が出てしまったのか…

Tさん「契約書には記載されていましたが、口頭での説明はなく、管理会社に対して『違約金は、広告料などを支払ったオーナーに入るべき』と詰め寄るも、『契約書にはそんなことは書いていない』の一点張りで、話を聞いてもらえませんでした。

失敗の原因は、立地、間取りの悪さを無視した高い家賃設定が、5年後に時限爆弾のように爆発し、退去者が続出してしまったということだったと思います。突き詰めていうと、素人である私がそんなアパートを購入してしまったのが悪いということになるのですが納得はなかなかできなかったですね」

 

ではここで、退去者が続出した原因を掘り下げてみましょう。

 

Tさん「新築当初は『新築プレミアム』といって、周りより多少家賃が高くても、比較的収入が高いなど、好条件の人たちが入ってきます。ただしそれは限られた数年間。何年か経つと入居者が入れ替わり、『中古』になります。いわば新築のメッキが剥がれ、そこからがアパートの真の実力となり、同じ家賃だと割高感を覚え、住んでいた人たちももっと条件のいいアパートに移ってしまうわけです。

そうなるとなかなか入居者が見つからず、家賃を下げざるを得ません。家賃を下げ、フリーレントを付け、広告料を2カ月付け……ということをすると、比較的条件のよくない人たちが入ってきたりします。すると、仕事を失ったり、家賃が払えなくなったりということで、入退去が頻繁に発生することになります。

入退去が増えると、経費が増加→キャッシュフロー大幅マイナス→赤字転落→アパート経営が困難に→売却という流れが起きます。マンションで経験していたこともあり、こういうアパートを何年も持っていると傷口が広がると考え、立て続けにこのアパートも売却しました」

 

区分マンションでも新築アパートでも投資に失敗したTさん。もう不動産投資は止めようと決意したものの、ここから運命の出会いがあります。

 

次回、オーナーTさんの体験記の後編では、アイケンジャパンの新築アパートとの出合いを紹介していきます。

 

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