不祥事が多発する不動産業界
企業の不祥事はどこの業界にも見受けられることではありますが、2016年以降、不動産業界では、特に目立った事件が相次いでいます。
たとえば「かぼちゃの馬車」事件。スマートデイズ社による女性専用シェアハウス事業が破綻し、管理会社からオーナーへの賃料が未払いとなったことは、記憶に新しいでしょう。
さらには、A銀行不正融資事件や、B社の建築基準法違反事件、C社の顧客情報改ざん事件など、不動産業界の事件は枚挙にいとまがありません。大手企業による不祥事が相次いだことにより、世間に「不動産業界は怪しい」という印象を植え付けてしまうこととなりました。
中島氏は次のように話しています。
中島「不動産経営のためのパートナー企業を選ぶ際に、捨てた方がよい固定観念があります。それは、『大企業だから安心、町の中小零細企業は不安』『大企業は任せられるが、中小企業は何をされるかわからない』という大企業神話です。
中小零細企業でも、お客様や入居者のために真面目に頑張っている会社もありますし、大企業でも、売り上げや利益にしか目がいっていない会社もあります。
会社の規模の大小でなく、企業の良し悪しを見分けるためには、ご自分で会社を訪問し、話を直接聞いてみることが大切です。お勧めは、質問リストを作ることです。どの企業にも同じ複数の質問を投げかけ、返ってきた答えをメモし、比較してみることで、企業ごとの体質の違いが見えてきます」
[関連セミナー]
リスク回避で成功を掴め!
現役営業マンが明かすアパート経営のリアルとは
「やらかす」不動産会社の見分け方
会社の規模の大小に関わらず、信用できる会社とそうでない会社、どちらも存在するものです。
初めて投資しよう、アパート経営を始めてみようと考えている消費者・オーナー候補が素人なのに対し、不動産業者側は玄人、プロなのです。毎年、毎日、同じような物件を造り、売っているため、「この場所にこんな物件を造って売ったら、3~5年で空室が目立つようになる」ことは、経験値としてわかっているはずなのです。
それでも自社の儲けを優先し、オーナーが失敗することを承知で売り抜こうとする業者は、残念ながら沢山存在します。不動産の素人、初心者であるオーナー候補は、それを見破れず、赤字物件をつかまされて泣き寝入りすることがあるのも現実です。
そんな悲劇に見舞われ、大切な資産を減らさないために、良質な会社とそうでない会社の見分け方、ポイントはあるのでしょうか。中島氏に聞いてみました。
中島「まず、最低限『管理部門』を自社で持っているかどうかを確認してください。管理部門がない会社は、空室が目立ってきても『管理会社の責任です』といい逃れる可能性があります。また、本当にいい物件を取り扱っているなら、営業マン自身もアパート経営を行っているはず。社員のうち、何人、何割の人が自社のアパートを購入しているかがポイントなのです」
営業マンのセールストークにも、企業体質の良し悪しを見分けるヒントがあるという。
中島「物件を買う際、『5年後に売りましょう』と営業マンがいったとしたら、その物件は5年後には赤字になる可能性が高いと思った方がいいでしょう。弊社の営業マンならオーナー様に『売らなくても良いのです。毎月毎年黒字経営を続けて、アパートを買い足し、老後に備えましょう』と話します」
「自己資金ゼロ」は本当にお得だといえるのか?
また、中島氏は、よく持ち出される「不動産投資が少額の自己資金で始められる!」という売り文句にも注意が必要だといいます。アパート経営を始める際、自己資金が少額であるならば、当然借り入れや毎月の支払が増え、収支を圧迫してしまいます。結果、2棟目を買いたくなっても、1棟目を売ってからでないと銀行が融資をしてくれないケースが多いのだそうです。
また、ウェブセミナーなどでよく見かける、極端な良い儲け話の数字を出している業者もすぐには信用しないほうが良いでしょう。中島氏は、数字はどうとでも作れるので、実際の投資の収支を正しく表していないことも少なくないのだと語っています。
中島「『中古マンションの複数所有で年収600万円アップ!』などというPR文句の数字だけを鵜呑みにしないことをお勧めします。失敗する『投資』ではなく、堅実なアパート『経営』をできるパートナー企業を選んでください」
不動産にも相場があります。相場に比して極端に条件の良い話、大きな儲け話を目にしたとしても、すぐに飛びつくべきではないでしょう。不動産経営を始めるのであれば、PRの中身が実態に即しているのかをよく調べ、優良企業とだけ組みたいものです。