6月のSENSEX指数は上昇
■6月のインド株式市場は、世界各国で新型コロナの影響で停止した経済活動が再開し、景気回復期待からグローバルに株価が上昇するなか、堅調な展開となりました。代表的な株価指数のSENSEX指数は、インド政府が全国一斉のロックダウン(都市封鎖)を6月1日から解除したことを好感して、月初から連騰し、3日には約3ヵ月ぶりに34,000ポイント台を付けました。その後、米国株式市場が調整したことなどから、下押す場面がありましたが、再び切り返し、19日には戻り高値を更新しています。インドの新規感染者拡大が続くなかでも投資家心理が好転し、リスクオン(選好)相場が継続しています。
外国人投資家は買い越しが続く
■世界的な投資家のリスク選好姿勢の強まりを背景に、インド株式市場にも海外からの資金が流入しています。3月から4月にかけて新型コロナの感染拡大の影響で、海外投資家の大幅な売り越しが続きましたが、5月以降は買い戻しが入りました。5月1日から6月18日までの海外投資家の累計買い越し額は、42億米ドル(約4,500億円)を超える規模となっています。
新型コロナの影響が残り不安定な動き
■インド株式市場は、世界的なリスクオン(選好)相場に追随し、経済活動再開への期待感から他市場に出遅れた分を取り戻す動きとなっています。ただし、新型コロナの感染拡大が依然として収まらないなか、企業業績の下方修正が顕著になるなど、景気の不透明感が強い状況にあるため不安定な相場展開が見込まれます。株式市場の安定性が戻るには新型コロナの感染が落ち着く必要がありそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場は上昇(2020年6月)』を参照)。
(2020年6月22日)
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