大学進学は人生の重要なポイントですが、何を基準に学校を選べばいいのか、悩む受験生や保護者は多いもの。納得いく大学・学部選びのためには、情報収集はかかせません。本連載では、個別指導学院フリーステップなどを展開する株式会社成学社の入試情報室長の藤山正彦氏が、大学・学部選びの様々な視点を解説していきます。今回は、最新ランキングから大学を見ていきます。

ランキング上位は、米英の大学が独占

イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(略してTHE)は毎年大学の世界ランキングを発表しています。学生一人当たりの資金や教員一人当たりの被引用論文数や、教員対学生比率、学生や高校教員によるアンケート、外国人教員や学生比率などを得点化して並べているものですので、規模が大きく、特に医学系の大学院など引用される論文が多い研究機関の比率が高い大学が有利な指標とはなりますが、ひとまず2020年ランキングが発表されましたので、総合ランキングベスト15を発表しましょう。

 

第1位 オックスフォード大学(英)

第2位 カリフォルニア工科大学(米)

第3位 ケンブリッジ大学(英)

第4位 スタンフォード大学(米)

第5位 マサチューセッツ工科大学(米)

第6位 プリンストン大学(米)

第7位 ハーバード大学(米)

第8位 エール大学(米)

第9位 シカゴ大学(米)

第10位 インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)

第11位 ペンシルバニア大学(米)

第12位 ジョンズ・ホプキンス大学(米)

第13位 カリフォルニア大学バークレー校(米)

第14位 スイス連邦工科大チューリッヒ校(スイス)

第15位 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(英)

 

上位15校にアメリカの大学が10校、イギリスの大学が4校ランクインしており、米英でほぼ独占状態になっています。ちなみにオックスフォード大学は創立年不明ながら700年以上(900年以上との説も)の歴史はあるだろうというイギリス最古の大学で、学部学生は16000人ほど(日本最大の国立大である大阪大学とほぼ同じ)学費は日本円で年間260万円ほどの学校です。

 

一方日本の大学はといいますと、以下の通りです。

 

第36位 東京大学

第65位 京都大学

第251~300位 東北大学、東京工業大学

第301~350位 大阪大学、名古屋大学

第351~400位 産業医科大学

第401~500位 九州大学、北海道大学、筑波大学、東京医科歯科大学、帝京大学、藤田医科大学

第501~600位 横浜市立大学、関西医科大学

第601~800位 神戸大学、広島大学、会津大学、首都大学東京、近畿大学、久留米大学、慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学、早稲田大学"

※同じランク内の順番は、旧帝大、国立大、公立大、私立大にならべ、それぞれの50音順です

 

論文の引用数で医学系の大学が有利になっていますが、800位の中に、日本の782大学(2018年に1年生を募集したのは768大学)のうち、ランクインしているのはわずか25校です。

  

ちなみに私立大学では、世界800位の中に早稲田大学と慶應義塾大学、近畿大学がランクインしていますが、関関同立は入っていませんでした。

 

そういえば2年前に近畿大学が「早慶近」というキャッチフレーズで広報していましたが、その根拠はこのランキングの2016年版でした。それ以来ランキング入りが続いています。

「ランキング」で大学の特徴が見えてくる

日本の大学だけを並べた「日本版大学ランキング」というものもあります。こちらはベネッセが作ったものですが、「教育リソース」・「教育充実度」・「教育効果」・「国際性」の4つの観点を点数化したものです。

 

たとえば「教育リソース」の中には大学合格者の学力という項目があるなど、いかにも模試・教材会社ならではの指標も取り入れられています。

 

「日本版大学ランキング」の評価指標(出所:THE世界大学ランキング日本版を元に作成)
「日本版大学ランキング」の評価指標(出所:THE世界大学ランキング日本版を元に作成)

 

総合ランキングのベスト10は以下の通りです。

 

第1位 京都大学

第2位 東京大学

第3位 東北大学

第4位 九州大学

第5位 北海道大学

第6位 名古屋大学

第7位 東京工業大学

第8位 大阪大学

第9位 筑波大学

第10位 国際教養大学

 

「教育リソース」・「教育充実度」・「教育効果」・「国際性」、4つの指標のうち、国際性のランキングを見てみましょう。

 

第1位 国際教養大学

第2位 国際基督教大学

第3位 立命館アジア太平洋大学

第4位 大阪女学院大学

第5位 東京国際大学

第6位 神戸市外国語大学、麗澤大学

第8位 上智大学

第9位 名古屋外国語大学

第10位 長崎外国語大学

 

外国人学生の割合や日本人学生の留学比率をという指標が要素に入っていますから、専任教員の55%が外国籍で、学生は1年間の留学が義務付けられている秋田県の公立の国際教養大学やTOEFLでクラス分けが行われ、約3割の講義は英語で行われている東京の国際基督教大学、学生の約半数が留学生という大分の立命館アジア太平洋大学が上位に来るというわけです。続く大阪女学院大学も国際・英語学部のみの単科大学で、英語によるディスカッション能力、プレゼンテーション能力の育成を目的として徹底的に行われているTOEFL対策や留学支援が評価された形です。

 

これらのランキングで上位に入っているのはなぜかな、という視点でオープンキャンパスや説明会に参加すると、より詳しく大学を知ることができるでしょう。

 

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