世界中の投資マネーが集まる「イギリス学生寮」の最新事情

社会情勢の変化による影響が少なく、世界中から継続的に投資マネーが流入することから「セーフヘイブン(安全な投資先)」とも称されるイギリス不動産市場。なかでも、「イギリス学生寮」が安定的な投資先として注目を集めています。本連載では、フォーランド リアルティ ネットワーク ジャパン株式会社・代表取締役の中尾孝久氏に、イギリス不動産投資の魅力について解説していただきます。

学生が増えるなか、明確に不足している「学生用住居」

世界トップレベルの公正・公平な取引環境を誇り、世界的な経済不況や政治・社会情勢の混乱に大きく影響されることなく継続的に投資資金が流入することから、「セーフヘイブン(安全な投資先)」とも称されるイギリスの不動産市場では、現在学生寮投資が大きな注目を集めていることをご存じでしょうか?

 

日本では一般的ではない学生寮投資ですが、イギリスでは確立されたアセットクラスとして25年以上もの歴史があります。英タイムズ紙や英フィナンシャル・タイムズ紙も、イギリスの学生寮を国内のTOPアセットのひとつとして評価しており、最近ではシンガポールの政府系投資ファンドによる大規模投資も散見されます。英不動産大手Savills(サヴィルズ)が発表したレポートでは、2016年のイギリス学生寮への投資額は約6,480億円(このうち英国外から約4,320億円)にのぼるなど、世界中から投資資金が流入する注目の投資先となっています。

 

イギリスの学生寮投資が注目される理由としては、住宅需要の高いフルタイム学生が増加傾向にある一方、学生寮や学生用マンションは慢性的な供給不足の状態となっていることから、他の不動産、アセットクラスと比べて相対的に高い利回りを実現していることがあげられます。また、学生寮の運営にあたっては、賃借人の募集や家賃回収などの管理業務は現地管理会社に一任できるため、購入後のわずらわしさが少ない点も魅力です。

 

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学生寮案件で注目集める「イギリス不動産」投資の最新事情
~世界中から投資マネーが流入するイギリスの「学生向け物件」のポテンシャルと最新案件の概要

 

◆ブレグジット決定後も増加が続く学生数

 

教育の質の高さに定評があるイギリスの大学には、毎年定員を大きく上回る願書が提出されており、英国人学生・留学生ともに入学希望者が後を絶たない状況が続いています。これまで政府から割り当てられていた入学定員枠が、2015事業年度から完全に撤廃されたことも追い風となっており、1995年に14.4万人だったフルタイムの留学生(総学生数の13%)は、2016/17年期には40.4万人(同22.5%)にまで増加しています。

 

また最近では、EUからの離脱(ブレグジット)の影響が懸念されましたが、2018年もEU内からの出願数は増加し、過去2番目の数を記録しているほか、留学生供給国として世界のトップ2を占める中国やインドからも増加が続いています。

 

入学定員枠の撤廃によって、最大で毎年約6万人もの入学者が増加すると英政府が予想しているなど、今後も学生数の増加が見込まれており、各大学はキャンパスを順次拡大しています。

 

一方で、学生用住居の整備は学生の増加にまったく追いついていない状況が続いています。大学が保有する学生寮に入居できる学生は限定的で、多くの学生は民間の学生寮を探すことになりますが、もともと大幅に不足しているため、アクセス性や生活利便性に優れた学生寮はキャンセル待ちも珍しくありません。このように、学生数の増加と学生用住居の不足によって、今後も市場の成長が継続すると見込まれることが、イギリスの学生寮への投資資金の流入につながっているのです。

 

出典:HESA(英高等教育統計機関)データより作成
[図表1]英国人&留学生(フルタイム学生)の推移
出典:HESA(英高等教育統計機関)データより筆者作成

学生寮の不足問題が深刻化する「リバプール」

イギリスの学生寮投資で注目したいエリアのひとつが、英中西部に位置する国内有数の学術都市「リバプール」です。大学や研究施設が集まる市内中心部の学術エリア「ナレッジ・クオーター」には、ノーベル賞受賞者を多く輩出する名門国立大学「リバプール大学」(2016/17年期フルタイム学生数 約23,870人)や、多種多様なプログラムが人気を集める国内最大級の先進大学「リバプール・ジョン・ムーア大学」(同19,350人)など、多くの大学が集積しており、市内の総大学生数は6万人以上にのぼります。現在、ナレッジ・クオーターの拡張計画も推進されており、学生数は一段の増加が見込まれています。

 

しかし、不動産コンサルタント大手「ナイトフランク」が2018年2月に発表したレポートによると、リバプールの大学に通うフルタイム学生46,075人のうち約半数となる22,577人が、大学や民間セクターが提供する学生用住居を利用できない状況となっています。

 

2018~20年の間に、学生寮・学生用マンションは7,398床増加する見通しではあるものの需給の改善は限定的で、今後も投資家にとっては良好な投資環境が続きそうです。

 

リバプール大学
リバプール大学

 

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学生寮案件で注目集める「イギリス不動産」投資の最新事情
~世界中から投資マネーが流入するイギリスの「学生向け物件」のポテンシャルと最新案件の概要

 

◆リバプールの学生寮、実際の稼働状況は?

 

リバプール市内の大手賃貸管理会社が管理している16物件(5,293床)を抽出して、現地不動産会社が実施した調査によると、2018年10月時点の平均稼働率は99%と極めて高い水準にあります。一例をあげると、ナレッジ・クオーターの近隣に2014年に完成した「City Point(シティ・ポイント)」(約870万円~/11㎡)という物件は、過去4年間の平均稼働率が98%という高パフォーマンスを実現しています。こちらの物件は、一棟丸ごと保有していた従来のオーナーの出口戦略に伴い、現在売りに出されており、ほぼ満室状態というテナント状況を引き継いだ状態で運用を開始できるメリットがあります。

 

City Point室内
City Point室内

 

また、プレビルド物件となりますが、2020年に完成を予定している「NATEX(ネイテックス)」(約1,030万円~/13.50㎡)も注目物件のひとつです。ナレッジ・クオーター内に誕生するこちらの物件は、徒歩10分圏内に7つの大学や繁華街をおさめるなど、シティ・ポイントよりもさらに優れたロケーションを誇るため、完成後には学生から非常に高い人気を集めることが予想されます。どちらも、ネット利回りで9%前後の高いリターンが期待できるため、投資対象として大変魅力的です。

 

需給ひっ迫の市場環境の中、安定的に高い利回りを享受できるイギリスの学生寮物件は、投資家にとってポートフォリオへの組み入れを積極的に検討したいアセットクラスのひとつといえるでしょう。

 

 

中尾 孝久

フォーランド リアルティ ネットワーク ジャパン株式会社 代表取締役

 

フォーランド リアルティ ネットワーク ジャパン株式会社 代表取締役

1975年、和歌山県生まれ。
大手投資会社を始め10年以上金融業界で為替、株式のリテール部門で活躍。その後、外資系証券会社のセールスヘッドを経て、2012年、フォーランドリアルティネットワークジャパン株式会社取締役に就任。2014年、同社代表取締役就任。

累計150本以上のマレーシア、フィリピン不動産セミナーの講師を担当。現地の最新情報を織り交ぜつつ、金融業界出身らしい独特の観点から海外不動産の魅力を分かりやすく解説するセミナー内容は、毎回好評を博している。
WEBサイト http://www.foreland-realty.com/

著者紹介

連載学生寮投資で注目を集める「イギリス不動産」の魅力

  • 【第1回】 世界中の投資マネーが集まる「イギリス学生寮」の最新事情

 

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