意外と社長が気付いていない価値があることも
後継者が見つからないオーナー社長のなかには、事業の廃業・清算を考える人もいるかもしれません。しかし、そんな考えは安易で早計というものです。
誰が見ても将来にわたって利益を生み続けそうな会社はいうまでもありませんが、本人が「それほどでもない」と考える会社であっても、他社(他者)から見れば「ぜひとも買いたい」思う価値が見出されるケースがあります。
昨今、辺鄙な海辺の漁師民宿や有料農業体験をセットにした山奥の宿泊施設などが人気になっています。地方の人が自分ではさほど価値がないと思っていた立地や暮らしが、都会の住人からすれば価値あるものになるというわけです。
企業間のM&Aでも、全く同じことがあり得ます。例えば、稼働率が下がる一方の地方都市の生産工場や倉庫が、新たな物流拠点を探している都会の大手物流企業には宝のように見えることがあります。また、医薬品などの販売ライセンスが魅力となって買いたいという会社が現れることもあります。
客観的な他者の視点が重要
同業種や同一エリアの企業にはさほどの価値がないと思える会社でも、異業種や活動エリアの異なる企業から見れば、M&Aによるシナジー効果が見込めるといったケースは、実際に多いのです。
そういったことは、社長が一人で考えても思いつかないことが多いものです。M&Aコンサルティング会社など、信頼の置ける第三者とうまく付き合うことで、自社の価値を再発見することも可能となります。
M&Aをためらう社長の中には、「面倒で複雑」といった心配をする人もいます。この点も、M&Aコンサルティング会社のアドバイザーに相談することで、適切なアドバイスをもらうことができます。