どんな企業もあっても、それぞれに独自の価値があるものです。社長自身が気が付かなかった会社の価値を、第三者が見出すことも珍しくはありません。後継者の不在を、すぐに廃業・清算と結び付けてしまうのは、もしかしたら早計かもしれません。

意外と社長が気付いていない価値があることも

後継者が見つからないオーナー社長のなかには、事業の廃業・清算を考える人もいるかもしれません。しかし、そんな考えは安易で早計というものです。


誰が見ても将来にわたって利益を生み続けそうな会社はいうまでもありませんが、本人が「それほどでもない」と考える会社であっても、他社(他者)から見れば「ぜひとも買いたい」思う価値が見出されるケースがあります。

 

昨今、辺鄙な海辺の漁師民宿や有料農業体験をセットにした山奥の宿泊施設などが人気になっています。地方の人が自分ではさほど価値がないと思っていた立地や暮らしが、都会の住人からすれば価値あるものになるというわけです。

企業間のM&Aでも、全く同じことがあり得ます。例えば、稼働率が下がる一方の地方都市の生産工場や倉庫が、新たな物流拠点を探している都会の大手物流企業には宝のように見えることがあります。また、医薬品などの販売ライセンスが魅力となって買いたいという会社が現れることもあります。 

客観的な他者の視点が重要

同業種や同一エリアの企業にはさほどの価値がないと思える会社でも、異業種や活動エリアの異なる企業から見れば、M&Aによるシナジー効果が見込めるといったケースは、実際に多いのです。 
 
そういったことは、社長が一人で考えても思いつかないことが多いものです。M&Aコンサルティング会社など、信頼の置ける第三者とうまく付き合うことで、自社の価値を再発見することも可能となります。

M&Aをためらう社長の中には、「面倒で複雑」といった心配をする人もいます。この点も、M&Aコンサルティング会社のアドバイザーに相談することで、適切なアドバイスをもらうことができます。

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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