語られたのは「理想論ではない、現実的な」ノウハウ
引き続き活況を呈する日本の国内不動産投資市場。2020年の東京五輪を間近に迎えた東京都心部のみならず、地価上昇が全国に波及するなど、相変わらず盛り上がりを見せている。
一方で、全国的なアパートの供給過剰、それに伴う空室の増加トラブル、さらにはサブリース、シェアハウス問題など、不動産投資に関するネガティブなニュースも増えている。不動産投資を真剣に検討している方ほど、しっかりとした情報源から、的確なアドバイスを受けたいと考えているのだろう。今回のセミナーもそれを反映するかのように多数の申込者があった。自らの財産を増やす、あるいは守るため、不動産投資に可能性を見出す方はやはりまだまだ多いようだ。
本セミナーでは、物件ありきではない、投資家目線のコンサルティングに定評のあるエストアンドカンパニー株式会社の櫻井祐輔氏が登壇。不動産投資の世界で湧き上がっているさまざまな不安に対し、不動産市場のリアルな現状と、リスクを回避しながら効率的に不動産を増やしていくための「理想論ではない、現実的な」ノウハウが、静かな熱気に包まれる中、明解に語られた。
国内不動産投資がやはり最強である理由とは?
当日のセミナーの主なテーマは以下の4つである。
1.不動産業界の今とエストアンドカンパニーについて
2.国内不動産がやはり最強である理由
3.ファイナンスを活用したレバレッジ投資の破壊力
4.レバレッジを最大化するための「ファイナンスアレンジ」術
株式投資、FX、仮想通貨、さらには小型ジェット機投資といった他の投資とも比較しながら、不動産投資最大のメリットともいえる「レバレッジ効果」について、あらためてその基本から解説。さらには、今人気の「海外不動産投資」と比較したうえでの、「国内不動産投資」の優位性についてのトピックは、4000件以上の不動産売買を行ってきたプロフェッショナルである櫻井氏ならではの迫力があった。
一例を挙げよう。海外不動産のリスクと聞くと、我々が真っ先に思い浮かべるのは「為替リスク」だが、実は国内不動産との決定的な違いは、その「住宅性能」の違いによるリスクである、という話などだ。すなわち、海外不動産の建物は比較的劣化が早く、「修繕リスク」という想定外のトラブルが発生する確率が高い。管理会社との折衝も簡単ではないことから、やはり「一筋縄ではいかない投資である」という説明などは、投資経験豊富なセミナー参加者にも共感を持って受け入れられたようだ。
当日のメインテーマである3、4のファイナンス戦略については、手元にキャッシュを残しながらレバレッジを効かせる「フルローン」の活用術を詳細に解説。近年、融資環境が厳しくなる中、戦略的に融資を受けるための「住宅ローン」と「アパートローン」の基本と使い分け方、現状のマーケットを鑑みながらのローンの組み方、そして物件の買い増し方法など、極めて実践的な内容であり、その一つひとつがセミナー参加者の興味を大いに惹いたようだ。終了後、講師である櫻井氏のもとには行列ができ、それが約1時間に渡り続くほどの大盛況であった。
戦略的に立ち回れば、国内不動産投資の可能性はまだまだ大きい。しかし、その際にはやはりプロフェッショナルの的確な助言が必須条件である。それを改めて実感するセミナーであった。