不動産投資におけるドルペッグの意味について解説します。

ドルペッグとは

ドルペッグ制とは米ドル固定相場制とも呼ばれ、為替介入や金利調節をして自国通貨とアメリカドルの為替レートを一定に保つ制度です。主に、発展途上国が利用しています。

 

ドルと連動する固定相場にすれば、通貨が乱高下しないことのアピールが可能です。実現するには、金利連動型と為替介入型があります。

 

金利連動型は、中央銀行や政府によって金利調整をして、自国とアメリカの金利を連動させる方法です。為替介入型では、中央銀行や政府が為替レートを意図的に動かしながらドルの動きに合わせています。

 

ドルペッグ制を導入するメリット

ドルペッグ制を導入することで、海外の資金が入りやすくなります。自国通貨が少ない発展途上国にとっては、海外からの資金が重要です。

 

投資をしてもらうためには、経済的に不安でないと伝えなくてはならないのです。そこで、ドルペッグ制にしてドルと連動している環境を整えれば、投資されやすくなります。

 

また、設備投資もしやすくなるのがメリットです。発展途上国は金利が高めに設定されているので、銀行からの融資を受けにくい環境にあります。そこで、金利の低いドルを設備投資に使う分だけ銀行から借りて、ドルを自国通貨に変換して設備投資に使うこともできるのです。この方法を用いれば、低金利での設備投資が可能になります。さらに、金利はドルと同じではなく発展途上国の方が高金利なので、ドルペッグ制にした国の通貨は人気です。

 

ドルを持っている投資家は、ドルを売ってその国の通貨を買い直すことがあります。ドルペッグ制でその国の通貨が下落しにくくなるので、投資に利用されやすくなります。

 

ドルペッグ制で注意すること

ドルペッグ制ではアメリカの経済政策に影響されてしまいます。

 

アメリカがドル高政策をする時には、ドルペッグ制を導入している国の通貨も高くなってしまうのです。

 

ドルペッグ制が崩壊すれば通貨は安くなるので、その国に投資していた投資家は損をしてしまいます。ドルペッグ制の維持に不安を覚えた時は、投資家は引き上げていくでしょう。

 

その国の通貨がたくさん売られると、さらに通貨が安くなってしまい、国が経済危機になってしまうかもしれません。また、インフレ抑制ができないのも注意点の一つです。ドルと金利を一定に保つ場合、自国の生活水準と異なる物価調整をする可能性があります。その国でインフレが強まっても、金利を上げてインフレ抑制ができないのです。国内でインフレ状態でも、アメリカが利下げをした時はハイパーインフレで経済混乱になってしまいます。

 

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