土地の購入がない分、ローン計画に余裕が持てる
前回の続きです。子世帯の負担分については、1800万円の建築費のうち300万円は親世帯からの援助を受け、300万円はCさんが出し、残りの1200万円については住宅ローンを組むことにしました。頭金については総建築費の20%程度といわれていますが、特に決まりはなく最近では「頭金0円」、つまり、物件価格の100%まで借り入れをすることができる場合もあります。
一般的には頭金の割合が大きいほど総支払額は少なくなり、負担が小さくなるため、生活予備資金は生活費の3か月分程度を目安にして、できるだけ頭金に使う方が負担が軽くてすみます。
さらに、子世帯は住宅ローンを組むために必要な資金も用意する必要があります(下の図表1を参照)。
[図表1]ローン手数料の例(1200万円ローンの場合)
一般に、金融機関では、税込年収に占めるローンの年間総返済額(返済負担率)を融資の際の審査基準としています。返済負担率は、年収に応じて、25%〜35%以内としている金融機関が多く、たとえば、フラット35の場合、年収400万円未満で30%、400万円以上で35%までとなります。
共有登記を行い、出資した金額を各自の持分に反映
今回の場合は、Cさんの年収が450万円なので、その35%になる157万円以内が目安となりますが、土地の購入がない分だけ余裕がある計画が立てられます(当初の10年間は年54万円(4.5万円×12)、11年目以降は56.4万円(4.7万円×12)。下の図表2を参照)。
[図表2]フラット35S利用
また、住宅ローン減税の利用も可能です(下の図表3を参照)。仮に年末の借入残高が1150万円だとすると、1%の万5000円を、Cさんの所得税から差し引くことが可能となります。
[図表3]住宅ローン節税
そして、登記については共有登記を行いますが、出資した金額を各自の持分に正しく反映しなければなりません。
この事例では300万円の住宅資金贈与を親から受けていますが、Cさんの出資した金額にこの300万円も含めて考えるので、親2分の1、子2分の1の割合で登記を行います。なお、共有登記であっても、不動産取得税、固定資産税に関する住宅の特例を受けることは可能です(構造によって特例を受けられる条件は変わります)。