「孫と毎日会えるなんて」娘一家との同居を喜んだ70代夫婦
「娘から一緒に住めないかと相談されたときは、うれしかったですね。孫たちとも毎日会えるなんて、夢のようだと思いました」
そう話すのは、73歳の百合子さん(仮名)です。
百合子さんは夫の文雄さん(75歳・仮名)と2人暮らしをしていました。夫婦の公的年金は合わせて月約23万円。住宅ローンを完済した一戸建てに住み、預貯金は約1,500万円あります。
夫婦には45歳の長女・美咲さん(仮名)がいます。美咲さんは夫と離婚しており、小学5年生の長男と小学2年生の長女を育てていました。
同居の話が持ち上がったのは、半年ほど前のことです。
美咲さんはフルタイムで働きながら子育てをしていましたが、勤務先の異動によって帰宅が遅くなる日が増えることになりました。
「子どもたちが学校から帰ってきた後、家に誰もいない時間が長くなるのが心配で。しばらく実家で一緒に暮らせないかな」
そう相談され、百合子さんはすぐに賛成しました。
文雄さんも「部屋は余っているし、みんなで暮らせばにぎやかでいい」と快諾。2階の空き部屋を片づけ、娘と孫たちを迎え入れました。
同居を始めたころは、百合子さんも毎日が楽しかったといいます。
「学校から帰ってくると『おばあちゃん、ただいま』って言ってくれるんです。それが本当にうれしくて」
夕食は百合子さんが用意し、文雄さんは孫たちの宿題を見たり、一緒にテレビを見たりして過ごしていました。
美咲さんは毎月8万円を生活費として家に入れ、食費や光熱費を負担することに。子どもたちの衣類や学校関係の費用は、美咲さんが別に支払っていました。
ただ、同居が始まって2ヵ月ほどすると、百合子さんは少しずつ疲れを感じるようになったそうです。
「孫たちは食べ盛りですから、毎日の夕食を作るだけでも結構大変なんです。買い物の量も、夫婦2人のときとは全然違いますね」
美咲さんの帰宅は午後8時を過ぎることが多く、平日の夕食はほぼ百合子さんの担当になっていました。
さらに、孫たちの洗濯物や翌日の学校の準備など、当初は想定していなかった家事も増えていきます。
「娘も仕事で疲れているでしょうから、できることはやってあげたいと思っていました」
しかし半年がたったころ、百合子さんは友人との電話で思わず本音を漏らしたといいます。
「孫はかわいいんだけどね。最近、夫婦2人だったころの生活が恋しくなるのよ」
