「この先、生きていけない…」子ども3人を遺して夫が急死。「月37万円の保障」に支えられる45歳専業主婦が直面した〈消えない不安〉の正体【FPが解説】

「この先、生きていけない…」子ども3人を遺して夫が急死。「月37万円の保障」に支えられる45歳専業主婦が直面した〈消えない不安〉の正体【FPが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

遺された家族へ毎月定額が支払われる「収入保障保険」には、年金形式で受け取る際の税金(雑所得)問題や、受取総額の減少、将来の物価上昇に対応しきれないといった見落としがちなリスクが潜んでいます。本記事では、夫の急死により月37万円の保障を受け取ることになった45歳専業主婦の事例をもとに、一見手厚い保障があっても家計が苦しくなる理由と、収入保障保険の注意点について、1級FPの大泉稔氏が解説します。

夫の急死…遺された45歳専業主婦の収入は「月37万円」

専業主婦のヒロミさん(仮名・45歳)は、夫のケンさん(仮名・享年45歳)を亡くしたばかりでした。ケンさんは居酒屋の帰りに用水路に転落し、突然帰らぬ人となってしまったのです。

 

ヒロミさんとともに、16歳の長女、10歳の長男、8歳の次女、そして7年前に購入した一戸建てが遺されました。中堅スーパーの店長を務めていたケンさんの年収は約700万円でしたが、昇進前は家計が厳しく、節約上手なヒロミさんの内助の功もあって手に入れたマイホームでした。

 

ケンさんの死後、ヒロミさんの生活の糧となる1年間の収入は以下の通りです。

 

・遺族基礎年金:141万6,200円(子の加算24万3,800円×2人分、子の加算81,300円を含む)
・遺族厚生年金:41万1,075円(平均標準報酬月額25万円で計算)
・児童手当  :60万円(第3子の加算含む)
・児童扶養手当:84万9,000円
・収入保障保険:120万円

 

合計すると年間447万6,275円、1ヵ月あたり約37万3,000円の収入となります。

「この先、生きていけない…」手厚い保障でも苦しい家計

ケンさんは一戸建てを購入した際、「子どもたちが大きくなるまでは、妻が働かなくても済むように」と生命保険を検討しました。

 

日本の充実した公的保障(遺族年金など)をベースにしつつ、その上乗せとして保険料が割安な「収入保障保険」を契約したのです。保険金額は月額10万円、期間は15年満期の設定でした。

 

保険金を一括で受け取る選択肢もありましたが、ヒロミさんは「毎月、天国の夫が給料を送ってくれるみたいだから」と、毎月受け取る年金形式を選択。

 

住宅ローンは団体信用生命保険により免除され、遺族年金や各種手当は非課税です。一見すると生活していけそうな金額に見えます。しかし、ヒロミさんは安心できていませんでした。

 

「なんだか家計が苦しい……。これじゃあこの先、生きていけない…」

 

子どもたちが眠ったあと、思わず不安が口からこぼれました。一体なぜ、手厚い保障があるはずなのに、家計がひっ迫してしまうのでしょうか。

 

次ページ【FPが解説】手厚い保障も…家計に余裕がないと感じる理由

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