難関試験を突破し、国を動かすという夢を抱いて霞が関の門をくぐった新卒の若者たち。手厚い初期研修を終え、いよいよ本配属。しかし、彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する過酷な労働環境でした。未来の日本を担うはずの若手エリートを使い潰す「ブラック霞が関」の現状と、事態を重く見た人事院の「強制力を持ったメス」について、最新白書から紐解きます。
もう、限界です…憧れの「国家公務員」になった新卒女性。本配属直後に霞が関で見た「まさかの光景」に絶望 ※写真はイメージです/PIXTA

ついに「お上」が動いた!言い逃れを許さない「臨時調査」

優秀な若手エリートたちが次々と疲弊し、去っていく。この国家の危機とも言える状況に、ついに人事院も本気の改革に乗り出しました。

 

これまでのような各府省の自主的な改善に任せるだけでなく、人事院自らが各府省を直接訪問し、客観的な記録に基づいた厳しい調査と指導を行うようになったのです。

 

さらに特筆すべきは、「強制力」を伴う新たな対応です。

 

調査や指導を行っても超過勤務の縮減に向けた取組が不十分だと判断された府省に対しては、抜き打ちとも言える「臨時調査」を実施。より一層の取組と改善状況の報告を厳しく求める制度を新たに開始しました。

 

月100時間などの上限を超える超過勤務を最小化するため、各府省の言い逃れを許さない姿勢を明確に打ち出したのです。同時に、毎日の休息時間を確保する「勤務間のインターバル」の実効性を高めるための通知改正など、職員の心身の健康(ウェルビーイング)を守る土台づくりにも踏み込んでいます。

 

「国を動かす仕事に憧れて入ったのに……もう、限界です」

 

そう嘆いていた沙織さん。彼女のような有為な若者たちが絶望することなく、能力を存分に発揮できる場所へと霞が関は生まれ変われるか――注目が集まっています。