(※写真はイメージです/PIXTA)
良好だと思っていた、長男夫婦との関係
ともに67歳のマツさんとショウノスケさんのリタイア生活は、余裕のある暮らしではありませんが、お互いに声を掛け合いながら丁寧に家計をやりくりしていました。年金は夫婦で月18万円。日々の食費や光熱費、時折の通院費を払うと手元にそれほど多くは残りません。ですが、現役時代の貯蓄を取り崩すことなく、慎ましい暮らしを送っています。
二人の長男であるショウゴさん(仮名/46歳)は6年前にマナさん(仮名/38歳)と妊娠を機に結婚し、現在は都内のマンションで暮らしています。マツさんは、長男の結婚前、40歳目前にもかかわらず独身であることを心配していたため、年が離れた妻だけれど、ようやく家庭を持つことができたと安堵していました。マナさんは明るい性格で、時折ざっくばらんすぎる物言いが気にはなるものの、遠方に住んでいるため、頻繁に会う機会はありません。ですが、互いに気を遣いすぎずに、付かず離れずのいい距離感を保てていると前向きに捉えるようにしていました。
そんななか、長男夫婦のところにある子ども(マツさんにとっては孫)が、来春に小学校への入学を控えることになりました。マツさんはショウノスケさんと「入学祝いには、5万円くらい包んで渡そうか」と、少しずつ準備を進めていたそうです。
意味不明な郵便物が届く
ある平日の昼下がり。息子夫婦の名前で郵便物が自宅に届きました。事前になにも聞かされていなかったので、不思議に思いながら箱を開封すると、マツさんは言葉を失い、その場に凍りつきました。
中から出てきたのは、老舗の鞄職人が手がける高級ランドセルのパンフレットでした。そして、そのパンフレットの裏側にクリップでしっかりと留められていたのは、マナさんの直筆で「お支払期日:今月末」と付箋が貼られた、金額「180,000円」のコンビニ払込用紙だったのです。
「これは、これを買えっていうこと……?」とマツさんがショウノスケさんのほうをみると、ショウノスケさんも怪訝な顔をします。
意を決して、まずは息子の携帯に電話を掛けましたが、出ません。次に嫁に掛けてみると、すぐに応答がありました。