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「家計優等生」な県の「三重」「福井」…その理由は?
全47都道府県のなかで、最も負債額が大きかったのは「埼玉県」。 その負債額は1,133万円に達し、全国で唯一の1,100万円台を記録しました。
続く第2位は東京都の1,020万円で、首都圏がワースト2を占めました。 第3位には岡山県が900万円、第4位が愛媛県の892万円、第5位が石川県の882万円と続きます。
上位の地域、特に埼玉県や東京都については、地価や住宅価格の高さがそのまま負債額の大きさに直結しているといえます。 事実、埼玉県の負債1,133万円のうち、約93%にあたる1,056万円が住宅ローンで占められています。
これだけ多額の借金を背負うと家計が苦しいのではないかと心配になりますが、必ずしもそうではありません。
貯蓄額を見てみると、埼玉県は2,595万円、東京都は2,924万円と全国トップクラスの資産を持っています。 多額の住宅ローンを抱えつつも、それを遥かに上回る豊かな預貯金や資産を保有しており、高い収入を背景に力強く資産形成を進めている理想的なモデルといえるでしょう。
一方で、ランキングの下位層にも目を向けてみます。 最も負債額が少なかったのは、第47位の沖縄県で257万円。
次いで第46位が三重県で379万円、第45位が福井県で387万円、第44位が長崎県で394万円と続きます。 これらの地域は、そもそも住宅にかかるコストが比較的抑えられやすい環境にあるか、あるいはローンを組まずに自己資金で住宅を購入したり、早期に繰り上げ返済を行う傾向が強いと考えられます。
ここでも見逃せないのが、負債が少ない地域の「貯蓄力」です。 沖縄県は負債が少ない反面、貯蓄額も777万円と全国で最も少ない結果でした。
しかし、三重県や福井県は事情がまったく異なります。 負債額が400万円を下回っているにもかかわらず、貯蓄額は三重県が2,083万円、福井県にいたっては2,102万円にも達し、全国平均を上回る資産を手堅く築いています。
借金を極力少なく抑えながら、堅実に手元の預貯金を積み上げている、まさに家計管理の優等生といえる地域です。
なぜ三重県と福井県は、これほどまでに「低負債・高貯蓄」を実現できているのでしょうか。 最大の特徴は、「高い持家率」と「借金の少なさ」が両立している点です。
通常、東京や埼玉のようにマイホームを持つと負債額(住宅ローン)は跳ね上がります。 しかし福井県や三重県は、全国トップクラスの持家率(福井県は約75%で全国上位)を誇りながら、負債額は全国平均(675万円)を大きく下回る300万円台に抑えられています。
これは、都市部に比べて土地価格が抑えられていることに加え、親世代との同居・近居率が高く「土地を譲り受ける」「家づくりの資金援助がある」など、家を建てる際のスタートダッシュで大きな負債を背負わずに済む環境があることを示しています。
さらに、もうひとつ注目したいのが「世帯の収入力」です。 特に福井県は、国勢調査等でも「共働き率」が常に全国1位を争うトップクラスの地域。
三重県も製造業などが盛んで雇用の安定性が高い地域として知られています。 つまり、一世帯あたりの有業人数が多く、入ってくる収入が安定しているのです。
「住宅ローンという人生最大の固定費(借金)が最小限に抑えられている」一方で、「共働きなどによって世帯収入は高い水準を維持している」。 この二つのデータが組み合わさることで、毎月の余剰資金が自然と大きくなり、結果として「貯蓄2,000万円超」という分厚い資産形成に直結しています。
多額のローンを組んでレバレッジをかける首都圏型とは対照的に、地域の特性を活かして「固定費(借金)を徹底的に抑え、収入の入り口を広げて貯蓄に回す」という三重・福井の家計構造。 これこそが、二つの地域に共通する、「手堅すぎる」金銭感覚の本質といえるでしょう。