昨今の物価高と教育費の高騰は、現役世代の家計を圧迫しています。そのようななか、親からの「教育資金の援助」は一見、救いの手に思えますが、なかには大問題に発展することも。ある親子のケースから、親子間における適切な距離と教育費支援の考え方についてみていきます。
「もうお金がないの。」〈年金月14万円〉70歳祖母が孫サポートに全振り…老後資金が底をつき、生活支援を求めるも、息子から「まさかの宣告」 ※写真はイメージです/PIXTA

教育支援の制度と適切な線引き

教育費支援について、かつて規模が大きかったのが「教育資金の贈与非課税制度」です。30歳未満の孫・子へ最大1500万円(塾・習い事は500万円まで)を非課税で贈与できる制度でしたが、令和8年(2026年)3月31日で終了します。国税庁ウェブサイトによると、それ以降は新たな「教育資金管理契約」に基づく非課税措置は受けられないと注意を促しています。

 

本来、扶養義務者間での学費や生活費の「都度」の贈与は原則非課税であり、申告も不要です。必要なときに必要な分だけ渡す形が、最も健全といえます。孫が幼い場合などは、年間110万円の非課税枠を活用した暦年贈与も有効ですが、税務リスク回避のため契約書の作成は欠かせません。

 

文部科学省『令和5年度子供の学習費調査』によると、私立中高の教育費(学校教育費と学校給食費の合算)は中学校で年平均113万円、高校で83万円。6年間で600万円弱になります。さらに学校外教育費も含めると800万円を超えることも。住宅ローンの返済など、何かとお金がかかる現役世代には大きな出費であり、1円でも援助してもらえるならありがたいというのが本音でしょう。

 

一方で厚生労働省『令和6年国民生活基礎調査』によると、高齢者世帯の平均所得は年314万円。そのうち6割強を公的年金が占めており、決して盤石とはいえません。高齢者世帯の55.8%は「生活が苦しい」と回答し、さらに25.2%、つまり4分の1の世帯は「生活が大変苦しい」と回答しています。

 

孫へのサポートはついつい許容量を超えがちです。さらに援助する側は「お金を出している以上は」と口を出したくなるもの。結果的に家族仲を悪化させる要因にもなりかねません。教育支援は、する側も受ける側も、将来を見据えた節度を持つことが重要といえるでしょう。

 

 

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