近年、成年年齢の引き下げやSNSの普及に伴い、若年層を狙った消費者トラブルが深刻化しています。特に進学や就職で環境が激変する春先は、知識や経験の乏しい若者が巧妙な悪質商法の標的となりやすい時期です。ある父娘のケースから、現代の若者が陥りやすい社会的な罠とその対策についてみていきます。
月収55万円・50歳父、上京娘がGWに帰省でウキウキだったが…休みが終わる日、見送りの駅で「もう、東京に帰りたくない」と号泣。涙ながらに語る理由に呆然 (※写真はイメージです/PIXTA)

若者を狙う「モノなしマルチ商法」とSNS詐欺の背景

佐藤さんは翌日、娘とともに最寄りの警察署へ向かいました。事情を説明すれば、すぐに解決に向けて動いてもらえるのではないか――そんな期待があったといいます。しかし、対応した警察官から返ってきたのは、予想とは異なる言葉でした。

 

「現時点では、契約に基づくトラブルの可能性が高く、すぐに刑事事件として扱うのは難しいかもしれません」

 

いわゆる「民事不介入」という原則です。警察としては相談は受けるものの、返金や契約の取り消しといった問題については、消費生活センターや弁護士への相談を勧められました。

 

「警察に行けば何とかなると思っていました。でも、そう簡単な話ではなかった。本当に、悔しいですね」

 

真由さんが巻き込まれたケースは、近年の若年層における典型的な消費者トラブルのひとつです。独立行政法人国民生活センターの報告によると、18歳・19歳の若者からの消費者トラブル相談件数は、成年年齢の引き下げ以降、高い水準で推移しています。

 

特に顕著なのが「副業・内職」や「投資」を名目としたトラブルです。消費者庁『令和6年版消費者白書』によると、20歳代以下のSNSをきっかけとしたトラブル相談割合は、他の年代に比べて突出して高い傾向にあります。具体的には、SNS上の広告やダイレクトメッセージから「簡単に稼げる」と勧誘され、実体のないノウハウを高額で購入させられる、いわゆる「モノなしマルチ商法」が多く報告されています。

 

こうした被害を防ぐためには、本人が「うまい話には裏がある」と認識することはもちろん、周囲の家族が「解約(クーリング・オフ)」や「消費者ホットライン(188)」の存在をしっかりと把握しておくことが不可欠です。 成年年齢引き下げにより、18歳以上は親の同意なく契約が可能となりましたが、同時に「未成年者取消権」も行使できなくなります。契約という行為の重みを、改めて教育現場や家庭で議論する必要があるでしょう。

 

 

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