(※写真はイメージです/PIXTA)
若者を狙う「モノなしマルチ商法」とSNS詐欺の背景
佐藤さんは翌日、娘とともに最寄りの警察署へ向かいました。事情を説明すれば、すぐに解決に向けて動いてもらえるのではないか――そんな期待があったといいます。しかし、対応した警察官から返ってきたのは、予想とは異なる言葉でした。
「現時点では、契約に基づくトラブルの可能性が高く、すぐに刑事事件として扱うのは難しいかもしれません」
いわゆる「民事不介入」という原則です。警察としては相談は受けるものの、返金や契約の取り消しといった問題については、消費生活センターや弁護士への相談を勧められました。
「警察に行けば何とかなると思っていました。でも、そう簡単な話ではなかった。本当に、悔しいですね」
真由さんが巻き込まれたケースは、近年の若年層における典型的な消費者トラブルのひとつです。独立行政法人国民生活センターの報告によると、18歳・19歳の若者からの消費者トラブル相談件数は、成年年齢の引き下げ以降、高い水準で推移しています。
特に顕著なのが「副業・内職」や「投資」を名目としたトラブルです。消費者庁『令和6年版消費者白書』によると、20歳代以下のSNSをきっかけとしたトラブル相談割合は、他の年代に比べて突出して高い傾向にあります。具体的には、SNS上の広告やダイレクトメッセージから「簡単に稼げる」と勧誘され、実体のないノウハウを高額で購入させられる、いわゆる「モノなしマルチ商法」が多く報告されています。
こうした被害を防ぐためには、本人が「うまい話には裏がある」と認識することはもちろん、周囲の家族が「解約(クーリング・オフ)」や「消費者ホットライン(188)」の存在をしっかりと把握しておくことが不可欠です。 成年年齢引き下げにより、18歳以上は親の同意なく契約が可能となりましたが、同時に「未成年者取消権」も行使できなくなります。契約という行為の重みを、改めて教育現場や家庭で議論する必要があるでしょう。
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