近年、成年年齢の引き下げやSNSの普及に伴い、若年層を狙った消費者トラブルが深刻化しています。特に進学や就職で環境が激変する春先は、知識や経験の乏しい若者が巧妙な悪質商法の標的となりやすい時期です。ある父娘のケースから、現代の若者が陥りやすい社会的な罠とその対策についてみていきます。
月収55万円・50歳父、上京娘がGWに帰省でウキウキだったが…休みが終わる日、見送りの駅で「もう、東京に帰りたくない」と号泣。涙ながらに語る理由に呆然 (※写真はイメージです/PIXTA)

久しぶりの親子団らんだったが…見送りの駅のホームで突きつけられた残酷な現実

佐藤大介さん(50歳・仮名)は、昨年のゴールデンウィーク(GW)に経験した出来事が今も忘れられません。 佐藤さんの月収は約55万円。地方都市で妻と2人の子供に恵まれ、平穏な生活を送ってきました。昨年の春、長女の真由さん(19歳・仮名)が都内の私立大学に合格し、念願の一人暮らしを始めたばかりのことでした。

 

「娘が東京に行ってから1ヵ月。寂しさはありましたが、GWに帰省すると聞いて、妻と2人で好物を用意して待っていました。久しぶりに会う娘は少し痩せたようにも見えましたが、大学生活の様子を明るく話してくれて。私も安心しきっていたんです」

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ、連休最終日。佐藤さんは真由さんを駅まで送り届けました。改札の手前で「体に気をつけてな」と声をかけた瞬間、それまで笑顔だった真由さんの表情が歪み、大粒の涙が溢れ出したのです。

 

「突然、私の腕にしがみついて『もう東京に帰りたくない』と泣き叫ぶんです。ただのホームシックだと思い、なだめようとしたのですが、彼女の口から出た言葉は想像もしていない内容でした」

 

真由さんが震える声で告白したのは、多額の借金を背負わされたという事実でした。 きっかけはSNSで知り合ったインフルエンサーを名乗る人物。都内のカフェに呼び出され、「これからは個人のスキルの時代」「初期投資はすぐに回収できる」と、副業のための高額なコンサルティング契約を迫られたといいます。

 

「断りきれずに契約してしまい、気がつけば80万円もの負債を抱えていました。娘は、子どものころからコツコツと貯めてきたお年玉やアルバイト代など、なけなしの貯金をかき集めて支払ったそうです」

 

「自分が騙されたなんて認めたくなかった。パパに合わせる顔がない」と号泣する娘の姿に、佐藤さんは言葉を失いました。