銘柄によって値動きが異なる「アンティーク・コイン投資」の奥深さ…〈古代コイン〉が“値下がりしにくい資産”とされる理由【コイン収集歴50年のFPが解説】

銘柄によって値動きが異なる「アンティーク・コイン投資」の奥深さ…〈古代コイン〉が“値下がりしにくい資産”とされる理由【コイン収集歴50年のFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

アンティーク・コイン投資は、コインの種類によって値動きの特性が異なります。なかでも「古代コイン」は、特定の国に依存しない性質や、世界共通の文化遺産としての普遍性を持つことから、値動きが比較的安定しやすい資産とされています。本記事では、田中徹郎氏の著書『資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて』より一部を抜粋・再編集し、古代コインが値下がりしにくい理由を解説します。

なぜ古代コインには「自国買いマネー」が入りにくいのか?

コインが値上がりする要因について考えてみたいと思います。

 

ある国のコインが値上がりする要因はいくつかあるのですが、代表的なものは以下のとおりです。

 

1 コインを発行した国や地域の経済が急成長し、同時に富裕層が持つ資産が増えていること

 

2 その銘柄のデザイン(たとえば描かれた人物や生物)に人気があり、多くの収集家が欲しがること

 

3 残存数が少なく希少性が高いこと

 

4 歴史的にみて価値のあるコインであること


このうち古代コインにとって一番大切なのは1です。上述の1/3スターテルにも当てはまりますが、多くの古代コインは、たとえば現代のギリシャやトルコ、イタリアという国の概念は当てはまりません。

 

あえて言うなら「ギリシャ・ローマはじめ地中海地域で発行されたコイン」、あるいは「古代オリエントで発行されたコイン」というように、特定の国ではなく広い地域で発行されたコイン、言わば“領域コイン”と捉えるべきだと思います。

 

このように古代コインには、「コインを発行した国」「コインを発行した地域」という概念はないのです。たとえば、現代のトルコの人たちは古代リュディアに対して郷愁を抱くかもしれませんが、自国のコインという感覚は薄いのではないでしょうか。

 

同じことが古代ギリシャ・ローマにも当てはまります。たとえば、現代ギリシャ人は「ロードス島のテトラドラクマ(図表3)」に対して、「自国コイン」という意識はさほどないのではないでしょうか。

 

(図表3)ロードス島のテトラドラクマ、紀元前230~205年(約1.7倍に拡大。現物の直径は23ミリほど)

 

逆に言えば、古代コインはいずれも現代的な感覚での国境概念が乏しく、そのため自国コインを収集しようとするマネーが入りにくいのだと思います。

世界共通の文化遺産…古代コインが「値下がりしにくい」理由

さらに、古代コイン全般に、世界共通の文化遺産という見方もできるかもしれません。

 

簡単に言えば「中国人であろうが、ヨーロッパ人であろうが、日本人であろうが、多くの収集家が自らの起源を古代コインに見出すことができる」ということです。

 

私は、この普遍性の高さが古代コインの「ジワジワ値上がり感」に影響を与えるとともに、「値下がりしにくい安全な資産」の理由になっているとも思います。

 

もしこの考えが正しければ、古代コインはアンティーク・コインのなかでもかなり安全性の高い領域ということになるはずです。

 

 

田中 徹郎

株式会社銀座なみきFP事務所

代表/FP

※本連載は、田中徹郎氏の著書『資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて

資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて

田中 徹郎

日本実業出版社

一つのカゴに卵を盛るな――これは投資の基本である。資産を増やすためには、株や債券などへの投資が一般的だが、これらペーパーアセットには激しい価格変動がある。古くはバブルの崩壊やリーマン・ショックなど、株式投資で大…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧