金相場の動きは「1つの理由」では語れない
現在の金(ゴールド)相場に、過去の経験則をそのまま当てはめることができないのは、1つの材料が単独で相場を動かしているわけではなく、複数の要因が同時に作用しているためです。
たとえば、QE(量的緩和)が実施された時期には、次のような複数の流れが同時進行していました。
・QE実施→ドルの供給増加→景気回復期待の高まり→株高
・QE実施→ドルの供給増加→ドル価値の希薄化懸念→ドル安観測→金(ゴールド)高
同じ出来事が、株にも金(ゴールド)にも、それぞれ上昇圧力を与えていたわけです。
また、ウクライナ戦争が勃発した2022年も、下記のような複数の流れが同時進行しています。
・戦争勃発→景気後退懸念→株安
・戦争勃発→エネルギー価格上昇観測→インフレ加速観測→利上げ観測→ドル高観測 →金(ゴールド)安
「有事だから金が上がる」という単純な構図ではなく、インフレ・利上げ・ドル高といった別の力が同時に働き、金価格を押し下げたのです。
現在の金相場を分析するための「7つのテーマ」
こうした事実を踏まえ、筆者は現在の金相場を分析するための考え方として、短中期・中長期・超長期の3つの時間軸からなる「7つのテーマ」を提唱しています。
従来の“天動説”的な説明から脱却し、より実態に即した“地動説”ともいえる考え方です。
■短中期
(1)伝統的な有事(戦争やテロなど)
(2)代替資産(株との逆相関)
(3)代替通貨(ドルとの逆相関)
■中長期
(4)新興国の宝飾需要
(5)鉱山会社の動向
(6)中央銀行(金保有高・通貨発行量)
■超長期
(7)非伝統的な有事(世界分断、民主主義後退、通貨の不確実性増加、長期視点のインフレなど)
これら7つのテーマは、常に“同時に”金相場へ上昇・下落の圧力を与え合い、互いに相殺しながら価格を形成していると考えられます。
現在の金相場は「1つの材料だけで動くものではない」ことが明らかです。QE実施やウクライナ戦争勃発の際に複数の流れが同時進行したことからも、「同時に作用する」という視点は不可欠です。
この7つのテーマに基づけば、QE期の値動きも、ウクライナ戦争が勃発した年の値動きも、そして足元の相場も説明できます。さらに、将来の値動きについても、より精度の高い分析が可能になると筆者は考えています。
吉田 哲
楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
【注目のセミナー情報】
【副業】3月28日(土)オンライン開催
月額30~50万円の利益を狙う!
オマカセ型「物販事業オーナースキーム」とは?
【国内不動産】3月28日(土)オンライン開催
札幌希少エリアで実現!
民泊×セカンドハウス「ハイブリッド型」不動産投資
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
