終身雇用の崩壊が叫ばれて久しい昨今、かつては「悲劇」の象徴だったリストラが、人によっては「絶好の好機」へと姿を変えています。最新調査から、ミドルシニアが捉えるリストラのイメージを見ていきましょう。
リストラだって、やったね!「割増金3,000万円」に歓喜する45歳サラリーマンと、「住宅ローン、残り20年」と絶望する47歳サラリーマン。希望退職で笑う人、泣く人の決定的な差 (※写真はイメージです/PIXTA)

40・50代の半数が「希望退職はチャンス」と捉える新潮流

かつて「リストラ」はネガティブな言葉の代名詞でしたが、現代のミドルシニア層の意識は大きく変わりつつあります。

 

株式会社マイナビが発表した「ミドルシニアの希望退職に関する意識調査(2025年)」によると、転職を経験した40・50代の正社員のうち、約半数にあたる48.2%が「希望退職は自分にとってメリットのほうが多い」と肯定的に回答しています。

 

その理由のトップは「自分に合う職場なのか、検討するチャンスになる(49.3%)」であり、多くの人がこれを「リスタートの機会」と捉えている実態が浮かび上がりました。

 

背景には、企業の戦略的な人員整理があります。同調査によれば、2025年に早期・希望退職を実施した企業は全体の15.5%にのぼり、従業員301名以上の企業では18.9%とさらに高まります。
これは単なる赤字補填ではなく、DX化や構造改革に伴う「人員構成の適正化」を目的とした、前向きな募集が増えているためです。

 

しかし、誰もがこの波をチャンスに変えられるわけではありません。調査では、希望退職を「メリット」と感じている層の58.2%が「自身のキャリアの方向性が明確である」と答えているのに対し、否定的な層では38.8%に留まっています。

 

また、内閣府『令和6年版 高齢社会白書』や厚生労働省の『労働経済の分析(令和5年版)』でも、ミドルシニアの労働移動が推奨されており、実際に転職市場における彼らの受容性は高まっています。かつての「35歳の壁」は消失しつつありますが、そこで求められるのは「会社への忠誠心」ではなく、どこでも通用する「ポータブルスキル」です。

 

結局のところ、リストラを「最高の再出発」にできるか「どん底の転落」にするかは、会社にキャリアを委ねず、日頃から「自分は何ができるのか」を問い続けてきたかどうかにかかっています。
会社という盾を失ったとき、最後に自分を守ってくれるのは組織の肩書きではありません。自分の中に積み上げてきた「キャリア」そのものなのです。