(※写真はイメージです/PIXTA)
「エレクトロニクス中心」から「リカーリングモデル」への変革
2016年のソニーは、まさに「瀬戸際」の状況でした。2015年3月期には米国会計基準で約1,260億円の最終赤字を計上し、1958年の上場以来初の無配となりました。テレビ、スマートフォン、半導体部門などのエレクトロニクス事業が低迷し、市場では「ソニーは本当に復活できるのか」という懐疑的な見方が支配的でした。
しかし、この苦境のなか、ソニーはビジネスモデルの転換に着手。その中心となったのが、次の3つの変革です。
■ソニーG復活のポイント
1. ゲーム事業の飛躍
2. 音楽・映画事業のIP戦略(知的財産戦略)
3. 半導体事業の復活
ゲーム事業では、PlayStation 4(PS4)の大ヒットに加え、PlayStation Networkを通じた月額課金サービスが拡大。ゲーム事業の売上高は11年で4.5倍に成長し、現在では「1億人経済圏」を構築する中核事業となっています。
また、音楽・映画事業では、スパイダーマンの映像化権やストリーミング配信による著作権収入が増加。ゲーム・音楽・映画の3事業で、グループ全体の売上高の約6割を占めるまでに成長しました。
さらに、スマートフォン用CMOSイメージセンサーで世界シェア約45%を獲得し、高い収益性を実現。半導体事業の復活の原動力となりました。
これらの変革の共通点は、「モノを売る」ビジネスから「サービスを通じて継続的に収益を得る」リカーリングモデルへの転換です。その結果、ソニーグループの営業利益率は13%前後(2026年3月期予想)まで改善し、収益性の高い企業へと生まれ変わりました。
ソニーG株への投資から学ぶ「株式投資の本質」
2016年当時、赤字だったソニーの株式を購入するには、大きな勇気が必要でした。
しかし、投資の世界には「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」という格言があります。その後のソニーグループの復活劇を見ると、まさにこの言葉が当てはまっていたといえるでしょう。
株価は、現在の業績だけで決まるものではなく、将来を先取りした「期待」で動きます。そのきっかけとなり得るのが、今回のソニーのような「事業構造の変化」です。
もちろん、すべての赤字企業が復活するわけではありません。しかし、確かな技術力やブランド力、優れた経営陣、明確な変革戦略を持つ企業であれば、一時的な業績不振は、むしろ株式を割安で買えるタイミングになる場合もあります。
投資の世界で「たられば」は禁物です。
しかし、「あのとき買っておけばよかった……」と後悔しないように、今後ソニーグループのような企業を見つけた場合は、100万円分とはいわず、単元未満株取引を利用して少額から購入してみるのも一つの方法です。もし予想どおりに業績や株価が回復するのを確認できたら、その段階で買い増しを検討しても遅くはないはずです。
低迷期にこそ、投資のチャンスが眠っている可能性があります。
ファイナンシャルプランナー
近藤 章仁
〈参考資料〉
ソニーグループ:投資家情報
【PR】資産形成ゴールドオンラインのおすすめ証券会社
■新NISAおすすめ証券会社・口座ランキング〈元株式ディーラーが比較・解説〉
■「こどもNISA」とは?メリット・デメリットを解説【2027年開始予定】
■iDeCoおすすめ銘柄・商品と金融機関ランキング【最新版】