2027年開始予定の「こどもNISA」は、0~17歳の未成年者を対象に、年間60万円まで非課税で投資できる新しい制度です。こどもNISAを活用すると、中学から大学までにかかる教育費をどの程度カバーできるでしょうか。本記事では、「月1万円・2万円・3万円」を積み立てるケースを想定し、FPが具体的にシミュレーションします。
2027年開始予定の「こどもNISA」…中学~大学までの「教育費」はどれくらいカバーできる?〈月1万円・2万円・3万円〉積立シミュレーション【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

ジュニアNISAの弱点を克服?「こどもNISA」の主な特徴

「こどもNISA」は、2025年12月に決定された「令和8年度税制改正大綱」に盛り込まれた、2027年開始予定の新しい非課税投資制度です。2023年末に廃止された「ジュニアNISA」が大幅に改良された制度で、現行の新NISAの「つみたて投資枠」を0~17歳に拡充した仕組みとなっています。

 

■「こどもNISA」の主なポイント

 

・対象年齢:0~17歳の未成年者

・年間投資枠:60万円

・非課税保有限度額(総限度額):600万円

・非課税保有期間:無期限

・投資対象商品:長期分散投資に適した「投資信託」のみ

・引き出し可能年齢:原則12歳以降

 

最大の特徴は、こどもが12歳以上になり、本人の同意があれば資金を引き出せる点です。

 

ジュニアNISAでは原則18歳まで引き出せなかったため、中学・高校の教育費には使えませんでした。引き出し制限が緩和されることで、こどもNISAは、ジュニアNISAよりも利便性が高まると考えられます。

 

また、非課税保有期間が無期限となるため、売却時期を相場状況やこどもの年齢に応じて柔軟に判断できるようになります。このように、長期投資による複利効果を最大限に活かせる点も魅力です。

 

投資対象商品は投資信託に限定され、購入方法は「積立買付」のみとなる予定です。個別株投資のように企業分析を行う必要がなく、チャートを見て買付タイミングを判断する必要がないため、投資初心者でも取り組みやすい制度といえます。

 

中学から大学まで、いくら必要?教育費の平均額

こどもNISAでどの程度の教育資金を準備できるかを把握する前に、まずは中学から大学までに、実際どれくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。

 

文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」などのデータをもとに、日本政策金融公庫がまとめた「教育資金はいくら必要? かかる目安をご紹介」によると、教育費の平均額は「国公立」と「私立」で大きな違いがあります。

 

■すべて「国公立」に進学した場合の教育費

 

・公立中学校(3年間):約162万円

・公立高校(3年間):約154万円

・国立大学(4年間):約248万円

・総額:約564万円

 

■すべて「私立」に進学した場合の教育費

 

・私立中学校(3年間):約430万円

・私立高校(3年間):約316万円

・私立大学・文系(4年間):約469万円

・総額:約1,215万円

 

ご覧のとおり、教育費の総額は、すべて国公立の場合は約564万円、すべて私立の場合(大学は文系を想定)では約1,215万円となり、大きく異なります。

 

さらに、私立大学の理系学部や医学部へ進学する場合は、教育費は一段と高額になります。こどもの進路に合わせて柔軟に対応できるよう、早いうちから少しずつ準備を進めておきたいところです。