「老後資金2,000万円問題」に不安を感じながらも、何から始めたらよいのか迷っている方は多いのではないでしょうか。本記事では、年収400万円の会社員が30歳から「新NISA」で積立投資を始めた場合、65歳時点で資産はいくらになるのかを、月1万円・3万円・5万円の3パターンでシミュレーションします。結婚や子育てなど人生のイベントが重なる30代でも、無理なく老後資金を準備する方法について、FPがわかりやすく解説します。
老後資金2,000万円を超えられる?年収400万円の会社員が、30歳から「新NISA」を始めた結果…65歳時点の資産額をFPが試算【月1万円・3万円・5万円】 (※画像はイメージです/PIXTA)

教育費だけで手一杯?年収400万円・30歳会社員Aさんの悩み

30歳のAさんは、都内のメーカーで働く会社員です。年収は約400万円で、手取りは月25万円ほど。2歳になる子どもがおり、妻はパートで働いています。

 

先日、同期との飲み会の席で「老後資金2,000万円問題」の話題になり、Aさんは焦りを感じました。「子どもの教育費だけでも大変なのに、自分たちの老後資金まで……」と途方に暮れていたそうです。

 

文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」などのデータをもとに、日本政策金融公庫がまとめた「教育資金はいくら必要? かかる目安をご紹介」によると、幼稚園から大学まですべて公立でも、教育費は子ども1人あたり約822万円かかるといわれています。

 

「教育費を優先したら、自分たちの老後資金なんて貯められない」――これがAさんの率直な気持ちでした。

 

そこで有効なのが「新NISA」による資産形成です。Aさんは月々の家計を見直し、まずは無理のない金額から新NISAでの積立投資をスタートすることを決意しました。

 

なぜ「新NISA」が老後資金づくりにおすすめなのか

老後資金づくりに限らず、これから資産形成を始めるなら、2024年からスタートした「新NISA」がおすすめです。新NISAには、次のようなメリットがあります。

 

■「新NISA」の主なメリット

 

・運用益が非課税:通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、新NISAなら運用益や配当金が非課税

・非課税保有期間が無期限:旧NISAでは非課税期間に制限がありましたが、新NISAでは無期限で保有が可能

・年間投資枠が拡大:つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円で、合計年間360万円まで投資可能

・生涯投資枠1,800万円:最大1,800万円まで非課税で投資可能(うち成長投資枠は1,200万円まで)

 

Aさんのように30歳で新NISAを始めて、たとえば35年間の運用で500万円の売却益が出た場合、通常の課税口座なら約100万円が税金として差し引かれ、手元には約400万円が残ります。しかし、新NISAであれば、500万円をそのまま受け取ることができます。

 

また、新NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁が定めた基準を満たす長期・積立・分散投資に適した投資信託とETFです。手数料が低く、初心者でも始めやすい商品が揃っているため、資産形成の第一歩としてもおすすめです。

 

このような税制優遇制度を上手に活用することで、資産形成のスピードを高めることにもつながります。