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数字でみる「自立しきれない子育て世帯」
厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査(速報)』によると、一般労働者(正社員を含む常用労働者全体)の平均給与は月収で34万0,600円。全体では前年比3.1%増でした。
一方で学歴別にみていくと、大卒では39万6,300円であるものの、前年比2.7%増と伸び率は鈍化しています。さらに大卒35~39歳に限ると、42万5,300円ですが、前年比2.4%増とさらに伸び率は鈍化します。
また厚生労働省『2024(令和6)年 国民生活基礎調査』によると、児童のいる世帯の世帯年収は820万5,000円。前年から1.0%増にとどまっています。消費者物価指数の伸びを下回り、実質的には「収入減」という状況なのです。
そのような状況を反映してか、生活意識は困窮を極めています。同調査において、「生活が苦しい(大変苦しい、やや苦しいの合計)」と回答した児童のいる世帯は64.3%。これは高齢者世帯の55.8%を上回ります。現代の子育て世帯が、どれだけ苦境に立たされているか、想像に難くありません。
内閣府や厚生労働省の別統計では、出産・育児期に女性の就労形態が変わる割合は高く、時短勤務などで収入が100万円以上抑えられる家庭も多いとされています。この減収が固定費(住宅ローンや保育料)と重なることで、世帯収入の余力はさらに小さくなります。
これらの統計が示すのは、単に「賃金が上がらない」というだけではなく、次のような子育て世帯の課題です。
・所得全体が物価や固定費増に追いつきにくいこと
・子育て期の収入構造そのものが変わること
・家計が長期的な余裕を持ちにくいこと
親世代が前提としていた「子どもが就職すれば家計は分離する」という見立ては、現在の収支構造では必ずしも成立していません。子ども世帯の資金不足を親の貯蓄が補う――。これは今の家族において、もはや珍しくない構図といえそうです。