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統計が示す「老後最大支出」の実像
総務省「令和5(2023)年住宅・土地統計調査」によると、国内の総住宅数は約6504万戸に達しました。そのうち空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を記録しています。これは5年前の調査と比べて約51万戸増加した数字です。
持ち家の割合は総住宅数の約60.9%で大きな変化はありませんが、空き家の増加は住宅需要の地域差を示すシグナルでもあります。都心や交通利便性の高いエリアに需要が集中する一方で、駅から距離のある郊外や交通不便地では、買い手が付きにくい住宅が増えている現実が読み取れます。
このような市場構造の中では、築年数が進んだ住宅は建物価値が下がるだけでなく、立地次第では出口が見えにくい資産になってしまいます。売却を念頭に置いて選ばなかった立地の持ち家は、買い手が限られるため、査定額が伸び悩むこともあります。つまり、住宅購入時に立地や将来の需要まで見通すことが、老後の家計設計における重要な分岐点となるのです。
ローン完済後も続く修繕費と固定資産税。加えて、売却が思うように進まない可能性。持ち家は安心の象徴と捉えられがちですが、老後においては「維持費」と「出口」をどう見積もるかが家計を左右します。住まいを取得する時点で、住み心地だけでなく将来の選択肢まで想定できているか。そこに、老後の安心を分ける分岐点があるのかもしれません。