(※写真はイメージです/PIXTA)
自分が亡くなっても相続人に連絡してほしくなくても…
「死後」には、遺体の火葬・納骨が必要です。家族や親族がいない、あるいは何かしらの理由で疎遠になっていて引き取り手のない方の場合、「墓地、埋葬等による法律」によって、市町村が火葬することになります。その際に遺骨の
引き取りや火葬代の支払いのために、市町村が相続人を調査し連絡します。
「親子の縁を切りたい」「自分が亡くなっても相続人に連絡してほしくない」という相談を受けることがありますが、法律上、実の親子の縁を切ることはできず、市町村から何かしらの形で連絡が入ることになります。つまり、親子の縁は続いているのです。そのため何も対策をしないまま亡くなった場合、周囲に迷惑をかけたくないという気持ちとは裏腹に、多数の関係者を巻き込むことになります。
それを防ぐためには、「死後事務委任契約」を司法書士との間で締結し、死後の葬儀と納骨、賃貸の家の残置物処理を進められるようにしましょう。死後事務委任契約とは、医療費や施設利用料などの支払い、葬儀や埋葬、行政への
届け出など、「死後」に必要となる様々な手続きを委任できる契約なのです。死後事務委任は、法律職に依頼することもできます。その法律職の報酬体系によって違いますが、手数料だけで30万円以上と、費用がかかります。葬儀代や死亡後に必要な支払いなどの実費も合わせると、死後に必要な経費は50万円以上することもあるので、法律職に死後事務を委任する場合は、最低でも合計100万円は必要でしょう。
死後事務委任を友人に依頼する場合の注意点
一方、死後事務委任は友人など親族以外に依頼することも可能です。その際に大切なことを、次に述べておきます。遺言で友人に全財産を相続させることにして、死後の諸々もその友人にお願いする旨を遺言の付言事項に記載するという方法もあります。しかし先ほども触れたように、遺言は遺産相続以外に関して法的な効力を持ちません。友人が遺産のみを受け取って死後の事務処理を全て拒否してしまうことを、法的に防ぐことはできないのです。その点、死後事務委任は委任内容が契約として残っていることが強みとなります。
死後事務委任をお勧めしたいおひとりさまを図表5に示します。「おひとりさま」といっても「おひとり」に至った状況はさまざまで、また、パートナーがいても内縁や同性の場合は、家族・親族と認められていないために、「死後」の事務が行えないこともあります。
西川 満則
福村 雄一
大城 京子
小島 秀樹



