(※写真はイメージです/PIXTA)
介護を担った次女でも、認知症の母に代わって意思を決定することはできない
80代、中等度の認知症の女性で、1カ月前から食事量が低下、ADL(※)も低下していましたが、検査結果で特に異常は見つかりませんでした。
食事も5割くらいは食べられるように回復しましたが、心臓の状態が虚弱であることから、先々のことを考えたほうがよいという見通しのもと、ACP(※)をしようという話になりました。
過去・現在・未来の3つの時間軸で、本人の意思を捉えてみます。過去において、「食べられなくなったらどうするか」については話し合ったことがなく、現在の気持ちを聞いても、「野菜ジュースが飲めるからいいよ」といった発言で、具体的に深い、先まで見通した話にはなりません。栄養が足りていないそのときの段階においても、本人がそれを理解して、未来の選択に思いをはせることは困難であるように見受けられました。
ここでキーになるのは家族で、特に次女がキーパーソンでした。「胃ろうでも点滴でも、何でもしてもらいたい」と次女は言います。「今、心臓が止まったとしたら、あらゆる延命治療をしてもらいたい」「兄や妹は、本人の面倒を見ておらず、何年も本人に会っていないから、決定権は私にある」と、次女は主張します。長男と三女の意向を確認したかを尋ねても、「そんなの必要ない」。