(※写真はイメージです/PIXTA)
激務とパワハラに潰れた27歳の現実
都内のメーカーで働く高橋健一さん(55歳・仮名)。高橋さんの長男・翔太さん(27歳・仮名)は、大学卒業後に大手システム開発会社に入社しました。入社5年目を迎えた矢先に適応障害で休職し、現在は実家に戻り、自治体の就労支援窓口が紹介した復職支援(リワーク)プログラムに通っています。
翔太さんが体調を崩した直接の原因は、上司による過度な「詰問」と業務量の偏りでした。
「会議の場で、息子だけが達成不可能な数字について理詰めで問い詰められたり、チャットツールで夜中まで進捗報告を求められたりしていたようです。当時、息子は一人暮らしをしていましたが、誰にも相談できず睡眠薬を服用しながら出社し続けていました。しかしある朝、玄関から一歩も動けなくなったといいます」
1年の自宅療養を経て、翔太さんは現在、週3回、1日5時間ほどのリワークプログラムに参加しています。内容は事務作業の練習やコミュニケーションの講習などですが、帰宅後の翔太さんは食事を摂る気力もなく、居間のソファで倒れ込むように眠ってしまうとのことです。
翔太さんが勤める会社では、就業規則で休職期間の上限は1年半。復職できなければそのまま『退職』か『解雇』になるそうです。主治医や相談員は『焦らずに』と言ってくれるといいますが、現実は甘くありません。刻々と期限が迫るなか、ただ焦りばかりが募っていきます。
「息子は『いま戻らないと、もう居場所がなくなる』『1年半も穴を開けて、さらに辞めるなんて社会人失格だ』と、自分を責めるようにして無理やり体を動かしている状態です。父親として『そんな会社、辞めてもいい』と言い続けていますが、本人の耳には届きません。息子は生真面目すぎるところがあって……。父親としては、会社の看板なんてどうでもいい、ただ健康でいてほしいと願うばかりなんですが……」