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急増する樹木葬需要。一方で浮き彫りになる「理想と現実」
株式会社鎌倉新書が実施した「【第16回】お墓の消費者全国実態調査(2025年)」によると、購入したお墓の種類において「樹木葬」を選んだ人の割合は48.5%に達し、6年連続で全タイプの中で1位となりました。 一般墓(墓石)の17.0%を大きく引き離しており、いまや「お墓といえば樹木葬」といっても過言ではない状況です。
年代別にお墓を購入する際に重視したことを見ていくと、どの年代もトップは「お墓の種類」ですが、65歳未満で続くのは「金額」、65歳以上では「アクセス」でした。 現役時代ほど、やはり気になるのはお金。 平均購入金額は、樹木葬が67.8万円、一般墓は155.7万円。樹木葬が支持される理由は明確です。
しかし、ここで見落とされがちなのが、樹木葬の「埋葬形態」による違いです。 樹木葬には大きく分けて、以下の3つのタイプがあります。
合祀型: 一つの大きなスペースに多くの遺骨を一緒に埋葬する。
集合型: 共有のシンボルツリーがあるが、埋葬場所は個別に区切られている。
個別型: 一区画ごとに木を植える。
特に費用が安価な「合祀型」の場合、後から遺骨を取り出すことができなくなるため、田中さんのように「やっぱり別の場所に移したい」と思っても手遅れになります。
また、東京都立霊園の公募状況(令和6年度)を見ても、樹木葬(樹林型合葬埋蔵施設)の倍率は依然として高く、都心部でのニーズは凄まじいものがあります。 しかし、自治体が運営する公営霊園では、宗教儀式が制限されていたり、お供え物が禁止されていたりと、民間霊園以上に「弔いの作法」に制約があるケースも少なくありません。
供養の形に正解はありません。大切なのは、残された人々が末永く故人を偲び、心から納得感を得ること。契約書にサインする前に、親族間で「10年後、20年後の参拝風景」を具体的にイメージできているかどうか、今一度、慎重に話し合っておく必要がありそうです。