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後輩の昇給額に言葉を失った…52歳、ベテラン社員が直面する残酷
「正直、目を疑いました。20代の若手たちが『今年の昇給は過去最高だ!』と喜んでいる陰で、私の給与明細に上乗せされていたのは、わずか7,000円。これでは物価高を補うことすらできません」
都内のメーカーに勤める佐藤健一さん(52歳・仮名)。 勤続25年、現在は課長職を任され、部下の育成やプロジェクトの完遂に日々奔走しています。会社への貢献度は誰よりも高いという自負がありました。しかし、昨年の春闘以降、社内に流れる空気の変化に佐藤さんは戸惑いを隠せません。
「会社側は『若手の離職を防ぐため』『初任給を引き上げて採用競争力を高めるため』と説明しています。確かに、優秀な若手が入ってこなければ会社の未来はありません。それは理解していますが、そのための原資が、我々ベテラン層の昇給抑制によって捻出されているのではないかと勘ぐってしまいます」
佐藤家では、大学生の長男と高校生の長女を抱え、教育費は今がピーク。加えて昨今の物価高により、食費や光熱費の増大が家計を激しく圧迫しています。
「部長からは『今の役職に就けているだけありがたいと思え』というニュアンスのことを言われました。でも、責任だけは増え続け、給料は据え置き。後輩指導の際も、『頑張れば給料が上がるぞ』という言葉が、今の自分の状況を考えると、どうしても空々しく聞こえてしまうんです」
長年同じ会社に尽くすことが美徳とされた時代に育った佐藤さんにとって、今の評価体系はあまりに残酷に映っています。
「住宅ローンの完済まであと10年。定年後の再雇用ではさらに給料が下がると聞いています。今、踏ん張らなければならない時期なのに、会社からの評価が数字として現れない。私たちは、ただの調整弁なんですよ」