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データで見る「45歳の壁」と、高所得世帯ほど陥りやすい貯金ゼロの罠
現代の日本において、40代後半から50代にかけてのサラリーマンが直面する雇用リスクは、かつてないほど高まっています。
厚生労働省の『雇用動向調査』や『労働経済動向調査』を紐解くと、近年は業績不振だけでなく、事業構造の転換を目的とした「黒字リストラ」が常態化していることがわかります。
特にターゲットとなりやすいのが、給与水準が高く、かつスキルが自社に特化してしまった45歳以上の層です。転職市場における「45歳の壁」は依然として厚く、同条件以上での再就職に成功する割合は、若年層に比べて低いのが実態です。
まず、知っておくべきは「高年収世帯の貯蓄事情」です。総務省統計局『家計調査 家計収支編』によると、二人以上の勤労者世帯において、世帯主が50歳前後の世帯は、平均貯蓄額自体は他の世代より高い傾向にあります。
しかし、一方で負債(主に住宅ローン)を差し引いた「純貯蓄」を見ると、マイナス、あるいはほぼ余裕がない世帯が一定数存在します。
また、高所得帯のミドル世帯は、生活水準も高いところで固定化されています。一方で、住居費や子供の教育費といった「固定費」が家計を圧迫しているケースも珍しくありません。
金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査』でも、世帯年収が1,200万円を超える高所得世帯であっても、およそ1割が金融資産を保有していません。ひとたび収入が途絶えれば、即座に生活が困窮するリスクを内包しているのです。
さらに、失業後に待ち受けているのが「社会保険料と税金」の重い負担です。住民税や国民健康保険料は前年度の所得に基づいて計算されるため、収入がゼロであっても、現役時代並みの高額な請求が届きます。
佐藤さんのように「退職金があるからしばらくは大丈夫」と楽観視していると、この「タイムラグを伴う支出」によって、再就職活動の軍資金さえ奪われてしまうこともあるのです。
確かに、リストラや希望退職が我がごとになるのはほんの一部の人かもしれません。しかし、何の備えもないというのは考えものです。
備えるべきは「会社という看板を外したときの自分の価値」の客観的な把握と、最低でも半年から1年は無収入でも耐えられるだけの流動資産の確保です。「自分だけは最後まで残れる」という期待を捨て、冷静に市場と向き合うことが重要です。