(※写真はイメージです/PIXTA)
ママ友ランチ会で知った、残酷すぎる「答え合わせ」
話題は、先日の遠足のことになりました。
「先生がシェアしてくれた写真、みんな楽しそうでしたね」「そうそう、お菓子交換の時間も盛り上がったみたいで」
一人のママがタブレットを取り出し、スクール専用の共有アルバムを開きました。
「ほら、この写真。みんなすごくいい笑顔」
画面を覗き込んだモモさんは、次の瞬間、息を呑みました。そこには、無邪気にお菓子を頬張る子どもたちの姿が写っていましたが、その手にあるもの、そしてレジャーシートに広げられたパッケージが、明らかに「異質」だったのです。
ある子が手に持っているのはマカロン。箱のロゴは「ピエール・エルメ・パリ」。別の子が掲げているのは、「千疋屋」のフルーツマドレーヌ。さらにモモさんを戦慄させたのは、写真の端に写り込んでいた光景でした。先生たちの周りに、桐箱に入った高級焼き菓子や、リボンのかかったデパートの紙袋がいくつも置かれていたのです。
(えっ……先生たちの分まで用意するのが常識だったの……?)
もちろん、そんなルールはどこにも書いてありません。しかし、写真の中の“暗黙の了解”は雄弁でした。たかが幼児の遠足のおやつに、数万円クラスの品物が飛び交っているのです。
自分の「頑張って高級スーパー」という感覚が、このコミュニティでは「底辺」ですらないかもしれない。その事実に、モモさんは顔から火が出るような恥ずかしさを覚えました。
そのとき、モモさんは悟りました。インターナショナルスクールに通わせるということは、単に「高い授業料を払う」だけではないのだと。「小学校もインターへ」などという淡い夢は、この瞬間、脆くも崩れ去ったのです。
「隠れ教育費」の重圧
その日以来、モモさんの目には、いままでみえていなかった「出費」が次々飛び込んでくるようになりました。ホテルでのバースデーパーティー、プレゼントの相場の違い、夏休みになればハワイやスイスのサマースクール……。
「うちは、共働きでカツカツのなか、なんとか学費を捻出して通わせているけれど……周りは『学費なんて誤差』というレベルの富裕層ばかりなんだ」
夫と家計簿を見直しました。いまの生活でも、貯蓄はできています。しかし、もしこのままインターの小学校に進学させたら、学費はさらに上がり、年間250万〜300万円。それに加えて、あのお付き合いの費用やサマースクール代がかかってきます。
「無理だね」夫が静かにつぶやきました。「学費だけなら払えるかもしれない。でも、この環境で息子に惨めな思いをさせずに付き合っていくのは、僕らの年収じゃ限界がある」