(※写真はイメージです/PIXTA)
事前の通知通り「年230万円」の年金を受け取っていたが…
「現役時代はそれなりに頑張ってきたので、年230万円、月換算19万円強という数字を見て、これで十分とは思わないまでも『妥当だな』と納得していました」
中堅ゼネコンで働いていた村岡健一さん(66歳・仮名)。妻の恵子さん(61歳・仮名)は専業主婦として家庭を守り、現在は夫婦二人で穏やかな隠居生活を送っています。60歳の定年以降は再雇用で契約社員として働いてきましたが、老後の生活設計で参考にしたのは、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でした。
「ねんきん定期便に書かれていた額面とほぼ変わらない金額を受け取っていました。だから特に疑問にも思わなかったんですよね」
年金生活にも慣れたころ、元会社の同期であり友人でもある男性と年金の話になり、そのとき「加給年金」の話題が出たのです。
「『奥さんがまだ年金をもらう年齢じゃないから、加給年金ももらっているんだろう』と言われました。そのとき初めて、加給年金という存在を知ったんです」
村岡さんは耳を疑いました。友人の話によれば、厚生年金に20年以上加入している夫に、65歳未満の妻がいる場合、年金版の「家族手当」のようなものが上乗せされるといいます。
「定期便にはそんな記載は一切なかった。友人の勘違いじゃないかと思いつつも、気になったので翌日には年金事務所へ足を運びました」
窓口で恐る恐る「自分にも加算があるのか」と尋ねると、端末を操作していた職員が顔を上げ、「対象です」と教えてくれました。そこで手続きをすれば、年間約40万円が加算されることを知ったのです。
「驚いたのと同時に『なぜ、教えてくれないんだろう』という戸惑いもありました。ただ、すでに受給を始めていた65歳からの1年分も遡って受け取れると聞いて、モヤモヤした気持ちも晴れましたね」
手続きの結果、年間230万円で納得していた老後資金が、一瞬にして底上げされました。
「もしあのとき、同期と年金の話をしていなければ、一生この40万円の存在には気が付かなかったかもしれません。本当によかったです」