思考には2つの型があります。問題が起きるたび対処する「解決思考(フォーキャスティング)」と、未来の「あるべき姿」から逆算する「コーチング思考(バックキャスティング)」です。私たちは普段、目の前の課題をこなす「解決思考」に陥りがちで、それは部下指導の現場でも変わりません。「どう解決する?」と問うばかりでは、大きな未来・具体的な目標は描けないのです。本記事では、尾澤まりこ氏の著書『1ON1に悩む管理職必須スキル コーチング思考』(ごきげんビジネス出版)より、私たちが無意識に陥る「現状維持の罠」と、未来を具体化する思考法の違いを解き明かします。
コロナ禍前のフィリピン。50階建てビルが建つ隣で、親の職業が「ゴミ拾い」の子どもに“将来の夢”を聞いたら…返ってきた「まさかの答え」 (※写真はイメージです/PIXTA)

2つの思考方法をうまく使い分ける

●あなたのチームはどこに向かっているでしょうか?

●あなたの会社は何をミッションとしていますか?

●上司や経営者であるあなたは、十分に部下や社員とそのことを話し合っていますか?

●何か問題が起こるたびに、現状と解決方法だけ質問していないでしょうか?

 

バックキャスティング的考え方(コーチング思考)ができない(未来の目標やそのイメージができない)ことについて、部下や社員を非難するような上司や経営者も存在するようです。

 

フォーキャスティング的考え方(解決思考)も、バックキャスティング的考え方(コーチング思考)も、どちらがよくて、どちらが悪い、ということはまったくありません。状況によって使い分けができればいいだけです。

 

ぜひ、経営者や管理職の方は、フォーキャスティング的考え方(解決思考)だけでなく、バックキャスティング的考え方(コーチング思考)を身につけてください。それがあなたの従業員や部下との1ON1を導くヒントになります。
バックキャスティング的考え方(コーチング思考)であれば、目的地を明確化し、全体像を眺める視点をもち込むことで、その手段を確実なものとできるのです。

 

●まとめ 

2つの思考方法

1つめは、フォーキャスティング的考え方(解決思考)

2つめは、バックキャスティング的考え方(コーチング思考)

をうまく使い分けていきましょう。

 

 

尾澤 まりこ

合同会社ミライの芽 代表

 

※本記事は『1ON1に悩む管理職必須スキル コーチング思考』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。