(※写真はイメージです/PIXTA)
「歩かされる」都会の環境、「意識しないと歩かない」地方の環境
何となく、地方での暮らしのほうが健康的なイメージはありますが、都市部での生活は知らず知らずのうちに運動量を確保できる側面があります。
厚生労働省『令和5年 国民健康・栄養調査』によれば、20歳以上男性の1日の平均歩数は6,628歩。 都道府県別では平成28年までさかのぼる必要がありますが、たとえば東京都の男性は8,611歩と全国平均を大きく上回り、46都道府県中4位(熊本県はデータなし)。 ちなみにトップは大阪府で8,762歩でした。 一方、45位の秋田県は6,626歩、46位の高知県は5,647歩。 どちらも車社会が中心とされる地域です。 このように、都心部と地方では1日に1,500歩から2,000歩近い差が生まれています。
都市部では駅やバス停までの移動、乗り換え、オフィスビル内の移動など、インフラの構造上「歩かざるを得ない」場面が数多く存在します。 一方で地方、特に車が主要な移動手段となる地域では、自宅のドアから車のドアへ、そして目的地のドアへと、文字通り「ドア・トゥ・ドア」の移動が車で完結しがちです。 木村さんのように、わずかな距離でも車を使うことが常態化すると、「無意識の運動」は限りなくゼロに近くなります。
この運動量の激減に、「食の豊かさ」という地方移住の大きなメリットが組み合わさると、カロリー収支は一気にプラスに傾きます。
「地方移住にそんな落とし穴があるとは、思いもしませんでした。まあ、木村だけかもしれませんが。健康維持を考えたら、地方のほうがお金をかけないといけないかもしれませんね」
[参考資料]
厚生労働省『国民健康・栄養調査』