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広がる世代間のデジタル格差
総務省『令和6年通信利用動向調査』によると、インターネットの利用率は10代以上で9割に達する一方で、65歳以上では58.3%まで落ち込みます。またスマートフォンの所有率は、13~19歳で84.9%、20代で90.4%である一方で、65歳以上では43.6%でした。高齢者にとってインターネットやスマートフォンは「なくても生活できるもの」かもしれませんが、若者世代にとっては「ないと生活が成り立たない」インフラです。
しかし、親子間のコミュニケーションにもデジタルツールは今や必須。株式会社ルリアンが40歳から69歳までの男女16,342人から回答を得た『相続・終活に関する全国調査2025』によると、離れて暮らす母親との連絡は、週1回以上41.8%、2週間に1回以上9.4%、月1回以上15.5%。連絡手段としては、すべての年代において、「携帯電話による通話」が最も多い一方、40代ではLINE(トーク機能)や携帯メールなど、テキストベースの手段が上位にランクインしました。デジタルを活用したコミュニケーションが一般的となっており、「そういうのは苦手」では、コミュニケーションのハードルが上がり、連絡の頻度が下がってしまう可能性があります。
離れて暮らしている高齢の親。子世代が気になるのは、やはり親の健康状態。病気になっていないか、怪我をしていないか――特にこの夏は暑かったので、熱中症で倒れていないかと、心配だったでしょう。その不安を解消する方法のひとつが、連絡頻度を増やすこと。そのためにも、デジタルツールは必須だといえるでしょう。
結局、翔太くんは3日間、髙橋さんの自宅でひとりで泊まり、4日目には翔太くんの両親(髙橋さんの息子と義娘)が合流。そして息子に連れていかれたのは、家電量販店だったといいます。
「家電量販店で、Wi-Fiの申し込みをしてくれて、あと最新の携帯電話に機種変更をしてくれました。そのあとはみっちり、LINEの講習。『とりあえず慣れないとダメ』と、毎日、写真を撮って、息子家族に送るのが日課になっています」
[参考資料]
総務省『令和6年通信利用動向調査』