都心の人気駅は便利さやブランド力が魅力的で、多くの人が憧れる一方、その家賃は想像以上に高額です。しかし最新の調査によれば、隣駅に移るだけで平均13%、最大40%以上も割安になるケースが見つかっています。実際、品川駅と大井町駅の間には年間で約94万円もの差が生まれるとの結果も。アクセスや生活の利便性を大きく損なうことなく、賢く節約できる可能性が隣駅には隠されているようです。
「品川の隣」に住むだけで〈年94万円の差〉…家賃4割減も、都会の「賢い部屋探し術」 (※写真はイメージです/PIXTA)

なぜ? たった一駅が生む『家賃の壁』の正体

なぜ一駅違うだけで、これほど家賃に差が生まれるのか。主に3つのポイントが考えられます。

 

停まる電車の種類

人気駅の多くは特急や快速が停まりますが、隣の駅は各駅停車のみというケースは珍しくありません。この数分の差が、日々の利便性の評価として家賃に反映されます。

 

お店の充実度

人気駅にはデパートやファッションビルが集まります。一方、隣の駅はスーパーや商店街が中心。この商業施設の「格」の違いが、駅の引力、つまり家賃の差につながります。

 

ブランドイメージ

そして、最も大きいのが、目には見えない『ブランドイメージ』という名の価値でしょう。「恵比寿に住んでいる」という響きには、特別な価値を感じる人もいます。そのイメージを求める人がいる限り、家賃は高値で維持されやすいのです。

 

電車でほんの数分、自転車や徒歩でも十分行ける距離。人気駅の便利なお店や施設を、まるで自分の庭のように普段使いすることも可能。住む場所をほんの少しだけスライドさせるだけで、利便性はほとんど失うことなく、ブランドイメージで高く設定されている家賃を賢く節約できる可能性があります。

 

今回の調査を行ったプロパティバンクの担当者は、「家賃が浮いた分のお金で、部屋の広さや階数、日当たり、防音性といった暮らしの質を高めることに目を向けてみては」とアドバイス。住みたい街に憧れる気持ちは自然なことですが、憧れだけを追い求めて、窮屈な部屋や古い設備に甘んじるのは、本末転倒かもしれません。

 

高騰する都会の家賃。自分にとって本当に満足度の高い住まいを見つけるために、住みたい街の隣に目を向けてみては?

 

[参考資料]

株式会社プロパティバンク『人気駅の隣駅は最大で40%割安!?住みたい街ランキング常連の人気駅と隣接駅の家賃差を徹底分析!』