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「成功願望」は家計を蝕む依存症
ギャンブルや買い物、アルコールといった依存症が、最終的に経済的困窮を招くことは広く知られています。実は、過度な「成功願望」もまた、同様の構造を持つ依存症の一種と捉えることができます。
この依存症の恐ろしい点は、「夢を追っている」「頑張っている」という社会的にポジティブな評価を得やすいため、本人も周囲も罪悪感を持ちにくいことです。「やめない限り失敗ではない」という思考に陥りやすく、地道な労働や計画的な貯蓄を「負け」や「諦め」とみなしてしまいます。その結果、目の前の生活基盤を疎かにし続け、気づけば取り返しのつかない状況に陥ってしまうのです。
この問題の根源は、お金の問題というより、心の奥深くにある自己肯定感の低さや、過去の経験からくる満たされない承認欲求にあるのかもしれません。勝久さんのように、他人を見下すことでしか自尊心を保てない状態は、その典型的な兆候です。
「自分らしく生きる」ことが、最大の資産防衛
特別な何者かになろうともがくのではなく、ありのままの自分を受け入れ、等身大の生活を大切にすること。家族とよく話し合い、身の丈に合った収入で、計画的に暮らしていくこと。
一見、退屈に思えるその「当たり前」の営みこそが、経済的な安定の土台となります。そして、その安定した土台の上にしか、本当の意味での豊かさや、挑戦する自由は生まれないのではないでしょうか。自分らしくいる努力が、結果として、将来の自分と家族を守る最大の資産防衛に繋がるのです。