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日本人が「引越しすらできない」深刻な背景
2025年の1年間における日本国内の移動状況を見ると、市区町村をまたいで住所を移した人の数は519万548人と、前年に比べ約1.7万人(0.3%)減少しました。
特に「日本人」に限定すると、その停滞ぶりはより深刻です。日本人の市区町村間移動者数は452万8254人と、前年比で約7.5万人(1.6%)も減少しており、これで実に「8年連続の減少」となりました。
なぜ日本人はこれほどまでに動かなくなったのでしょうか。そのヒントは、年齢層別のデータに隠されています。都道府県をまたぐ移動において、最も減少幅が大きかったのは「0〜4歳」の未就学児で、前年比7.1%減という驚くべき数字を記録しています。
このデータは、子育て世代が住宅価格の高騰や共働きの継続、あるいは将来への不安から、引越しという選択肢を奪われている、もしくは諦めている現状を示唆しています。「引越しすらできない」という閉塞感は、今の日本社会を象徴する「不穏な静寂」といえるかもしれません。
日本中を駆け回る「外国人の大移動」
日本人が静まり返る一方で、かつてないほどダイナミックに国内を動いているのが外国人です。
2025年の外国人移動者数は、市区町村間移動(66万2294人)、都道府県間移動(36万7402人)ともに、外国人を含む集計を開始した2014年以降で「過去最多」を更新しました。日本国内の移動者のうち、約8人に1人が外国人という計算になります。
彼らは仕事や生活の基盤を求め、貪欲に日本中を移動しています。その象徴的な場所が愛知県です。愛知県は日本人の転出超過が続く一方で、外国人を含む「社会増加数」の拡大幅が全国で最も大きく、製造業などの労働力を外国人が支えている構図が鮮明になっています。
さらに、国外からの転入者数は78万2165人と前年から約4.6万人(6.3%)増加しており、もはや日本の「人口移動」の主役は、日本人から外国人へと交代しつつあるのです。