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食材の味を引き立てるために、欠かせない塩。しかし、「塩=体に悪い」というイメージから、減塩を心がけている人も多いのではないでしょうか。今回は、塩に含まれる栄養素とその役割、体に良い塩の選び方、摂りすぎを防ぐ生活習慣などについて、長寿医学の専門家である白澤卓二医師に伺いました。高血圧や腎臓病のリスクを軽減したい方、正しい適塩生活に興味をお持ちの方は、ぜひご一読ください。

「塩」と健康の深い関係|最新研究が示す「適塩生活」のすすめ

塩分が不足すると体にどんな影響がある?

塩に含まれるナトリウムは、健康維持に欠かせない必須ミネラルの一つです。ナトリウムが不足すると、食欲や集中力、筋力の低下といった症状が現れ、ひどくなると痙攣を引き起こしたり、昏睡状態に陥ったりすることもあるといわれています。

 

 

暑い時期に注意が必要な「熱中症」も、塩分不足による代表的な症状として知られています。減塩しすぎることで、思わぬ体調不良を招くおそれもあるのです。

 

塩分の摂りすぎによる健康リスクとは

塩化ナトリウムを一挙に大量摂取すると血液中の塩分濃度が上がり、喉の渇き、むくみ、血圧の上昇などの症状が現れます。

 

さらに、塩分の摂取過多が続くと、高血圧、腎臓病、心臓病などのリスクが高まる恐れがあります。

 

日本人が塩分を多く摂るのは理に適っている

日本の夏は高温多湿で、たくさんの汗をかきやすいため、水分や塩分を適切に補給しなければなりません。そのため、日本人が漬物や佃煮などの塩分が多い食べ物を好むのは、理に適っているとも考えられます。

自然塩が健康に良い理由|ミネラルの役割と効果

 

自然塩のミネラルがもたらす5つのメリット

自然塩の大きな特徴は、多種多様なミネラルが含まれていることです。五大栄養素の一つであるミネラルは、臓器や細胞の活動をサポートしたり、歯や骨のもとになったりと重要な役割を果たしています。下記で具体的なメリットを紹介します。

 

①美肌・アンチエイジング効果

自然塩のなかでも特に海塩は、美肌やアンチエイジング効果が期待できます。肌のターンオーバーを促進するカルシウム、バリア機能を高めるマグネシウム、保湿効果があるカリウムなどのミネラルは、肌の代謝や保湿、修復をサポートしてくれます。

 

②高血圧・生活習慣病予防

海塩には、心筋の収縮をコントロールするカリウムや、血圧や血糖値の調節機能を果たすマグネシウムが含まれています。適切に摂取することで、高血圧や生活習慣予防にも役立つ可能性があります。

 

③デトックス効果

マグネシウムや亜鉛は、体に蓄積した有害重金属の排出を促進します。肝臓や腎臓の働きを助け、デトックス効果が期待できるのです。

 

④イライラしにくくなる

海塩に含まれる必須ミネラルは、神経機能の調整にも寄与しています。不足するとイライラしたり、疲労感の原因となります。

 

⑤味覚改善で減塩につながる

精製塩の「強いナトリウム刺激」は、舌の味覚細胞に負担をかけ、味覚が鈍化・麻痺しやすくなります。すると、さらに濃い味を求め、塩分を摂りすぎる傾向になりがちなのです。

 

一方、自然塩に含まれるミネラルは塩味を和らげ、うま味やコクを加える働きをします。ミネラルによって刺激が緩和されるため、繊細な味覚を取り戻しやすくなります。少ない量でも食材の味を引き立てるため、結果的に減塩や味覚改善が期待できるのです。

 

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※本稿は、健康、食、暮らしをテーマに、専門家による「すぐに役立つ」情報を届けるサイト『AUX Magazine』からの転載記事です。