(画像はイメージです/PIXTA)

年金だけでは足りない現実が突きつけられるいま、必要なのは漠然とした貯蓄ではなく、“戦略的な資産設計”です。本記事では、税理士の辻哲弥氏が老後の資産形成において押さえておきたい「守る」「増やす」「遺す」の3つの柱を、預貯金・投資・不動産・相続など多角的な観点から解説します。「まだ早い」ではなく「いまだからこそ」始めるべき老後準備のポイントを、分かりやすくお伝えします。本記事は株式会社エールのWebサイトからの転載記事です。

「老後の安心」は、設計した人にしか訪れない

老後の生活に不安を感じるのは当然のことです。しかし、不安は準備と知識で軽減できます。資産を守り、活かし、そして遺す。自分と家族の未来のために、いまこそ一歩を踏み出すときです。

 

税理士として多くの方と接してきたなかで、最も多かった後悔の声は「もっと早く準備すればよかった」「制度を知らなかった」というものでした。情報を知っているだけで選択肢が増え、将来の不安も減ります。特に老後資産では、“どう運用するか”と同じくらい“どう引き継ぐか”が重要です。
 

また、老後の生活費には“固定費の見直し”も効果的です。生活水準の最適化を図ることで、必要資金は想定より少なくて済む場合もあります。つまり「増やす」「守る」に加えて、「抑える」ことも、立派な資産形成の一部なのです。

 

子や孫への教育資金としての非課税贈与や、持ち家の住み替えなど、知っておくだけで差がつく制度も数多く存在します。税務の観点からも、老後の暮らしと相続設計は一体で考えることが重要です。

 

最後に、資産形成は“早すぎる”ことはありませんが、“遅すぎる”ことは確かにあります。本記事が、あなたの未来設計にとって一つのきっかけになれば幸いです。

 

 

辻 哲弥

公認会計士・税理士