「老後の安心」は、設計した人にしか訪れない
老後の生活に不安を感じるのは当然のことです。しかし、不安は準備と知識で軽減できます。資産を守り、活かし、そして遺す。自分と家族の未来のために、いまこそ一歩を踏み出すときです。
税理士として多くの方と接してきたなかで、最も多かった後悔の声は「もっと早く準備すればよかった」「制度を知らなかった」というものでした。情報を知っているだけで選択肢が増え、将来の不安も減ります。特に老後資産では、“どう運用するか”と同じくらい“どう引き継ぐか”が重要です。
また、老後の生活費には“固定費の見直し”も効果的です。生活水準の最適化を図ることで、必要資金は想定より少なくて済む場合もあります。つまり「増やす」「守る」に加えて、「抑える」ことも、立派な資産形成の一部なのです。
子や孫への教育資金としての非課税贈与や、持ち家の住み替えなど、知っておくだけで差がつく制度も数多く存在します。税務の観点からも、老後の暮らしと相続設計は一体で考えることが重要です。
最後に、資産形成は“早すぎる”ことはありませんが、“遅すぎる”ことは確かにあります。本記事が、あなたの未来設計にとって一つのきっかけになれば幸いです。
辻 哲弥
公認会計士・税理士

