長年連れ添った夫婦が定年を迎え、これからのセカンドライフを謳歌しようとするとき、これまでみえなかった「お金の問題」が表面化することがあります。特に、配偶者の一方に家計管理を任せきりにしている夫婦は要注意です。本記事は山崎さん(仮名)の事例とともに、夫婦間のお金に関するコミュニケーションの重要性について、FP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。※個人の特定を避けるため、内容の一部を変更しています。
怒らないで聞いてね…「退職金2,500万円」「年金月32万円」65歳元サラリーマン、定年退職日の夕食時に明らかな異変。両手がガタガタ、顔面硬直60歳パート妻の〈衝撃告白〉大激震の夜【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

夫婦の危機を乗り越えてどう暮らしていくか

山崎さん夫婦のように、定年退職を機に、長年連れ添った夫婦の問題が露呈するケースは少なくありません。熟年離婚もその一つの例でしょう。山崎さん夫婦は、今後の生活を立て直すために、家計の見直し、借金の返済計画など具体的な対策を検討していくことに決めました。

 

同時に、夫婦関係の再構築という、新たな夫婦の試練も始まります。これからは、家計管理を明美さんに任せきりにせず、定期的に状況を共有したり、お互いの金銭感覚や価値観について理解しあったりと、コミュニケーションも求められるでしょう。仮に、どちらかに金銭トラブルが発生した場合には、正直に打ち明け、二人で解決策を探すなどのルールを決めていくのもよいかもしれません。FXのようなハイリスクハイリターンの投資ではなく、夫婦の目標を再設定して、定期預金や、NISAを活用した積立投資などを提案しました。

 

この時期に夫婦の絆を深め、豊かなセカンドライフを送るための機会とすることができるかどうかは、夫婦の日々の努力にかかっているといえるでしょう。明美さんがFXを始めた背景には、なんらかの不満や不安があるかもしれません。お互いを尊重しながら、時間をかけて解決策をみつけていってほしいと思います。

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP