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不動産売却には高度な専門知識が求められるため、専門家の力を借りつつ進めることが一般的です。しかし、満足のいく売却を実現するためには、売主自身もしっかりと基本的な知識をもっておく必要があります。本コラムでは、不動産売却にあたり注意すべきポイントについて、売却の流れに沿ってわかりやすく解説します。

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不動産売却を決めたときの注意点

(画像:PIXTA)
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はじめに、不動産売却を決めたときに注意すべき点を解説します。この最初のステップでしっかりと準備を整えておくことで、その後の売却活動をスムーズに進めることができます。

不動産売却の流れを確認しておく

不動産売却をスムーズに進めるためには、全体の流れを事前に把握しておくことが重要です。どのタイミングでなにをすべきかを知っておけば、焦らずに対応でき、思わぬトラブルを避けることができます。

 

不動産売却は、主に以下の6つのステップに分けられます。

 

ステップ1:売却の目的を明確にする

ステップ2:売却価格の査定を依頼する

ステップ3:媒介契約を結ぶ(不動産会社の選び方)

ステップ4:売却活動の開始(広告・内覧対応)

ステップ5:買主との交渉・不動産売買契約の締結

ステップ6:引き渡し・決済を行う

 

不動産売却におけるこれらのステップには注意点が多く、スムーズに売却活動を進めるためには自分自身での事前準備と不動産会社のサポートが不可欠です。各ステップの詳細や気をつけるべきポイントについては、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

 

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売却の目的を明確にする

不動産を売却する際には、「なぜ売却するのか」という目的を明確にしておくことが重要です。

 

目的があいまいなまま売却を始めてしまうと、売り急ぎによる価格交渉で不利になったり、売却価格を下げるべきタイミングで強気に出過ぎて、売却のチャンスを逃してしまったりすることもあります。自身の経済状況や売却の目的、それらを踏まえてどの程度の期間で売却活動を進めるかといった販売戦略も変わってくるため、最初の段階で自身のゴールを明確に設定することが重要です。

 

例えば、住み替えを目的に不動産を売却する場合は、次の住居の購入時期とのタイミングが重要となります。資産整理が目的であれば、現在の資産状況や不動産を売却した後の運用などを踏まえて、「高値になるまで待って利益最大化を目指したい」、「多少安くても早く手放したい」といった目的に合わせた売却戦略を検討する必要があります。

 

売却のタイミングを考える

不動産の売却は、タイミングによって結果が大きく左右されます。市場の動向を把握し、需要が高まる時期に売り出すことで、より高い価格でスムーズに売却できる可能性が高まります。

 

タイミングを誤ると、売却までに時間がかかったり、希望価格を大きく下回ってしまったりするケースもあります。そのため、いつまでに売却をしたいのか、どれくらいの期間をもって売却したいのかといったことも踏まえ、売却活動開始のタイミングを図ることが大切です。

 

ローン残債を確認する

不動産を売却する際には、現在のローン残高を正確に把握しておく必要があります。

 

ローンが完済されていない状態で売却する場合、売却価格が残債を上回っていなければ、差額を自己資金で補う必要が生じます。また、売却価格が残債を上回っていたとしても、不動産の売却にあたって必要となる税金や諸費用を賄い切れずに自己資金からの支払いが必要となる場合もあります。

 

ローン残債がある場合、抵当権の抹消や一括繰上返済の手続きなど売却に伴うローン関連の手続きも多く発生します。そのため、売却をする場合に、売却の何日前までにどのような方法で金融機関への申込手続を行えば良いのかといったスケジュールや手続方法の確認に加え、一括繰上返済にあたって必要となる手数料についても早めに確認をしておくと安心です。

 

税金・諸費用を計算する

不動産を売却する際には、売却価格すべてが手元に残るわけではなく、さまざまな税金や諸費用が発生します。

 

売却に関連する主なコストとしては、譲渡所得税や印紙税などの税負担のほか、不動産会社に支払う仲介手数料・登記費用やそれに付随する消費税などが挙げられます。これらのコストを事前に把握し、実際に手元に残る金額、いわゆる「手取り額」を正確にシミュレーションしましょう。

 

不動産売却に必要な各費用の詳細については、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

 

【関連記事】不動産売却時の手数料・諸費用のすべて|仲介手数料やその他費用を徹底網羅

 

相場価格を調べて適正価格を理解する

適正な価格で取引を成立させるためには、まずは市場での相場価格を把握することが重要です。売却価格を高く設定しすぎると買い手が現れず、売却に時間がかかる可能性がある一方、安すぎると本来得られる可能性があった利益を逃すことになります。

 

周辺地域における築年数や間取りなど同じような条件の物件価格を不動産情報サイトなどで比較し、自分の物件がどの程度の価格で売れるのかを客観的に見極めるようにしましょう。

 

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