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プロポーズの裏に潜む「隠し事」
2年の交際期間を経て、ついに婚約したという、IT企業で働く小林翔太さん(仮名・30歳)と、美容業界で働く加藤千尋さん(仮名・28歳)。小林さんの月収は45万円ほどと、同年代と比べて高水準。一方で加藤さんは月収30万円ほどと、同年代の平均程度でした。
「いい人を見つけたね、とよくからかわれます。別にお金じゃないのに」とはにかむ加藤さん。とはいえ、経済的にも頼りになるという点も、プロポーズを受け入れた理由のひとつではあったといいます。しかし、結婚の話が具体化するにつれて、暗雲が立ち込めていったといいます。
婚約後、まずは加藤さんの実家に挨拶。そのあと、小林さんの実家に挨拶にいき、その後、結納・両家の顔合わせと順調に進んでいく――はずでした。しかし小林さんの実家に挨拶に訪れたとき、結婚に対する懸念が一気に噴き出したのです。
それは小林家に存在するある特別な住宅ローンの形式、そしてそれに付随する「同居」という避けられない現実。翔太さんの実家は郊外にある築およそ5年の一戸建て住宅。まだ建ってから日が浅いうえに、掃除も行き届いているので、新築同然、という言葉がしっくりきます。
家の名義は父親にあるものの、ローンは「親子二世代で返済していく」形式で組まれており、翔太さんもその返済に名を連ねていたのです。この事実が、初めて翔太さんの実家を訪れたときに明らかにされたのです。
「結婚後は2階の翔太の部屋で二人で暮らしてもらって、いずれ妹が出て行ったら、隣の部屋も使えるわ」。そう告げたのは、翔太さんの母親です。具体的に新婚生活はどうスタートさせるか――これから具体的に話していくものだと思っていましたが、すでに義親と同居が既定路線だったのです。