NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」2つの枠をどう使い倒す?【投資のプロの助言】

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NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」2つの枠をどう使い倒す?【投資のプロの助言】
(※画像はイメージです/PIXTA)

本連載『GeekなNISA』では、NISAを最大限に活用するための考え方を紹介しています。単にNISAを利用するのではなく、「せっかく使うなら、とことん使い倒そう」という姿勢でお届けしているシリーズです。第7回となる今回は、NISA制度の柱ともいえる「つみたて投資枠」と「成長投資枠」、この2つの“枠”の使い方について考えてみたいと思います。(ところで普通、NISAの解説記事といえば「枠」の説明は第1回の記事に書かれていても不思議じゃないですが、そうではないところが『GeekなNISA』っぽいですね)。

つみたて投資枠に弱点はあるのか?

最後に、つみたて投資枠にも弱点がないわけではない、という点についても触れておきたいと思います。

 

この枠の弱点をあえて挙げるなら、それは「実質的に株系の商品しか買えない」という点にあります。これは、金融庁が定める指定インデックスが株式を前提にしていることからも明らかですし、アクティブファンドの選定基準でも、毎月分配型ファンド(債券型に多い)が排除されている点からも読み取れます。

 

実際、つみたて投資枠の対象として認可されている約300本の投資信託商品を見ても、そのほとんどが株式を中心とした内容です。

 

米国株、日本株、全世界株——いずれも「株は株」。対象とする地域に違いはあるものの、基本的なリスクと値動きの方向性には大きな違いがありません。「8資産均等配分」のような商品にせよ、資産配分に「わかりやすい」以上の合理的な理由などなく、実質的には薄味の株です。

 

つみたて投資枠での売れ筋ランキングを見ると、特に先進国株に強く偏っている傾向が目立ちます。

 

先進国株はどの国の株であれ相互に強い相関を持ち、上がるときも下がるときも似たような動きをしがちです。たとえるなら、兵庫県で作った醤油か千葉県で作った醤油か、といった程度の違いでしかありません。そこに「みりん」や「味噌」のような味の分散は見当たりません。

 

本来、資産運用における効率性や安定性を高めるためには、異なる値動きをする資産クラスを組み合わせたいところです。たとえば、株式市場とは異なる動きを見せる債券や、ヘッジファンド的な戦略を取り入れた商品などが候補になります。

 

これらは、株式市場の上下にそのまま連動しない特性を持っており、リスク分散の観点でも有効です。

 

しかし残念ながら、そうした商品をつみたて投資枠のなかで見つけるのは非常に難しいのが現状です。いや、正確にいえば、成長投資枠であっても、この手の非株式系商品を探すのは決して簡単ではありません。

 

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