人生には、時に予期せぬ困難が立ちはだかります。長年温めてきた夢や計画も、病や環境の変化によって、一瞬にして消え去るかのように思えるかもしれません。そんな絶望の淵に立たされたとき、どうすれば希望を見出せるでしょうか? 本記事では、保坂隆氏の著書『精神科医が教える 50代からの心おだやかな暮らし方』(有隣堂)より、幸せな老後を叶えるためのヒントを深掘りしていきます。
「定年後、夫婦で世界旅行」の夢が絶望へ…50代夫が糖尿病の合併症で人工透析に→60代現在、「最高の復讐です」と笑うワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

仕事も人生も「次のステップ」へ…老後の幸せ

こうして透析しながらの海外旅行を10回以上続け、彼女はその経験をまとめます。すると、障害のある人を対象にしたツアーのアドバイザーになってほしいという依頼が舞い込んだのです。その仕事は彼女にとってもう一つの天職にもなっています。

 

どんなに厳しく困難な状況になっても、その状況を受け止め、耐えるべきは耐え、そこで何ができるかを考え、できることを実行していく。こういった打たれ強さは、歳を重ねることで培われていくもので、豊富な人生経験があってこその強みです。

 

彼女はその強みを活かして、仕事も人生も「次のステップ」へと上っていくことができました。

 

歳を重ねれば大なり小なり困難が押し寄せてくるものです。しかし、仮に大きな困難が襲ってきたとしても、ここで紹介した2人のように積み重ねた人生経験を活かすことで、ポジティブに、明るく楽しく仕事を続けていくことができるということを知っておいてほしいと思います。

 

 

保坂 隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック
院長

 

※本記事は『精神科医が教える 50代からの心おだやかな暮らし方』(有隣堂)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。