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シニアは進んで肉を食べるべき
高齢になってくると、「肉を食べる気にならない」という人が少なくありません。健康診断でコレステロールや中性脂肪などの数値が高いと指摘され、気にしているのかもしれませんし、実際、消化するのに時間がかかって、胃もたれしてしまう人もいるのかもしれません。
また、これまで「肉食過多は認知症になりやすい」と言われてきたことも肉を避ける理由のひとつではないでしょうか。しかし、肉食過多については、主に欧米のデータに基づき研究されてきたものです。欧米人の肉の摂取量は日本人の比ではありません。欧米のレストランで肉料理をオーダーすると、テーブルに運ばれてくるのは「これで1人前なの?」と目を疑うほどのボリュームだったりします。あれだけの量の肉を日常的に食べていたら、いろいろ健康面の問題も出てくるのだろうと思いますが、日本人の多くは、欧米の人ほどの量を食べているわけではなく、食べすぎることを心配する必要はないでしょう。
適量の肉を食べると、良質のタンパク質を摂取でき、それにより脳細胞はもちろんのこと、全身の筋肉細胞が丈夫になります。つまり、高齢になってからも肉を食べれば、体の衰えを食い止めてくれるわけです。さらにいえば、寿命を延ばす効果も期待できるということです。
では、どれくらいの量を食べたらいいのか気になりますね。男性は1日60グラム、女性は50グラムといったところでしょうか。おそらく、それくらいなら食べられるはずです。
ただし、肉ばかり食べればいいわけではなく、肉の1.5倍から2倍程度の野菜も一緒に食べるようにしてください。ちなみに、元気いっぱいの人は男女を問わず、肉をしっかり食べています。作家として精力的に執筆し、全国各地で講演していた瀬戸内寂聴さんも、95歳を超えても200グラムのステーキを召し上がっていました。