組織において、年齢を重ねた社員がこれまでのキャリアを無視するような人事異動によって、不本意な職に就かされることは往々にしてあるでしょう。そこで意固地になり自分の働き方などを貫こうとすると、職場での孤立の原因になりかねません。本記事では、保坂隆氏の著書『精神科医が教える 50代からの心おだやかな暮らし方』(有隣堂)より、ミドル・シニアの柔軟な働き方について考察します。
なんでこんな人がうちの部署に…営業一筋愚直な50歳サラリーマン、「エリート」になれず飛ばされた先で見た「衝撃の光景」 (※写真はイメージです/PIXTA)

第2の仕事人生のスタート

このように、これまでのキャリアを無視したような人事異動も、組織ではよくあることです。とくに50歳を過ぎるころには、一部の超エリートを除き、不本意な職に行かされることも多々あります。Aさんもまさにそのパターンでした。

 

しかし彼は、その異世界ともいえる部署で、孤立することなく自分の役割を見つけることに成功しました。誠実さと、営業で培ったヒューマンスキルは、部内の人間関係にも活かせますし、もともと強かった好奇心でもってWebという未知の世界を楽しみました。このような振る舞いには前述の「人柄」を強く感じます。

 

Aさんは50歳を過ぎて、第2の仕事人生をスタートさせたといってもいいでしょう。

 

 

保坂 隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック
院長

 

※本記事は『精神科医が教える 50代からの心おだやかな暮らし方』(有隣堂)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。