繰り上げ返済をする際の注意点
ここまで解説したように、繰り上げ返済にはリスクやデメリットもあるため、実際に繰り上げ返済を行う際にはこれらへの対策を講じておく必要があります。以下からは、繰り上げ返済にあたって注意すべきポイントを3つ解説します。
修繕費用などの現金を残しておく
繰り上げ返済は、運転資金や現金の流動性を維持しながら計画的に実施するようにしましょう。
手元資金をすべて繰り上げ返済に回してしまうと、突然の修繕費など予期せぬ支出に対応できなくなるリスクがあります。また、空室が発生した場合の賃料収入減少にも備えて、最低でも数ヶ月分の運転資金を確保しておくことが重要です。
手数料や司法書士費用を確認する
繰り上げ返済を行う際には、金融機関の手数料や、抵当権抹消登記にかかる費用を確認しておきましょう。
繰り上げ返済の手数料は無料または少額に設定されているケースが多いものの、短期間で繰り上げ返済を繰り返すと手数料負担が増え、結果としてコストがかさむ可能性があります。
また、全額繰り上げ返済や借り換えを行う場合には、抵当権の抹消・新規設定などの登費用が必要となるため、登記費用や司法書士報酬も考慮に入れる必要があります。
確定申告の金額に注意する
繰り上げ返済により利息負担が減ると、結果として課税所得が増加し、納税額が上がる可能性があります。また、所得が増えることで、各種税制優遇措置の適用条件を満たせなくなる場合もあります。
そのため、繰り上げ返済は短期的な税負担の変化も考慮に入れながら判断することが重要です。状況に応じて税理士などの専門家にも相談しながら、節税対策と資金計画を総合的に検討するようにしましょう。
不動産投資に関する確定申告のやり方や必要書類、申告しない場合のペナルティに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。