(※写真はイメージです/PIXTA)
1.南側の大きな窓がエネルギー効率を高める
耐震性の追求と開放的な間取りは両立するもの。リビング・ダイニングに面する南側には大きな窓を設置し、日射熱と採光を効率的に取り込める。ひさしを大きくしているので、夏は必要以上に日射熱が入ってこない。
2.吹き抜けで1階と2階をつなげる
吹き抜けのメリットは解放感、1階と2階での家族のコミュニケーションの取りやすさがある。また、冷たい空気は下へ、温かい空気は上へ流れる特性を利用し、夏も冬も1台のエアコンの稼働で家全体を適温にできる。
3.ゆるい勾配の屋根で年中、太陽光発電
真四角な家なので屋根をゆるやかな勾配にできる。これにより1年中、一定の太陽熱が得られ、効率的に発電して省エネ性を高める。また、屋根の傾斜が小さい分、外壁の面積も減り、初期費用を抑えられる。
4.ガルバリウム鋼板で性能とデザイン性をUP
外壁に軽い特性のあるガルバリウム鋼板を縦貼りすることで、より耐久性を高めている。シンプルだからこそ飽きのこないデザインとなり、メンテナンス費用も不要。屋根にも同じ建材を使用。
過去の災害から得た教訓
阪神・淡路大震災後の2000年に新耐震基準が改正されました。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の耐震等級1が最低基準です。
その後も日本では大地震が発生し、残念ながら住宅の倒壊がありました。被害報告では新耐震基準以前の木造住宅の倒壊が圧倒的に多く、2016年に発生した熊本地震では、耐震等級3の木造住宅ではほとんどが無被害でした。耐震等級3は消防や警察など防災の拠点となる建物、耐震等級2は病院や学校の耐震性に匹敵します。
また、木造住宅では建築確認の際に構造審査があります。延べ面積500m2以下、2階建て以下などの条件を満たす場合は「4号特例」という制度で省略とされてきましたが、この制度が2025年4月に改正され、現行法で4号に適合していた木造2階建て以下、高さ13m以下、軒高9m以下、延べ面積500m2以下の建築物は、2号または3号に区分され、建築確認手続きが見直されます。
さらに、300m2超の建築物は許容応力度計算が義務化されます。これは、建築物の部材に生じる力の計算、地震力によって生じる変形量の計算を合わせたものです。平屋住宅以外は構造審査が必要になると思ってください。
耐震性を高くするためには、当然費用が発生します。しかし、耐震性は最も優先順位が高いと肝に銘じておいてください。私は「家づくりは人生づくり」というコンセプトをもっていますが、人生づくりをするには命が守られなければなりません。ほかの部分で初期費用を抑える工夫がたくさんあります。
その際に重要なのがトータルコストでの捉え方です。修繕やメンテナンスのランニングコスト、光熱費を抑えることができれば、トータルコストは抑えられます。また、耐久性を高めることも費用減のポイントで、この耐久性は耐震性を持続させることに大きく関係もしています。WB工法は高い耐震性、耐久性を実現できます。



